嫦娥の花宴 | ナノ


ずるいなって、思うんですよ。


「…何してやがんだ」
『三蔵の驚いた顔って中々にレアだよね』
「質問の答えになってねェよ」
『見ての通り筋トレ』
「そんな骨と皮みてえな身体しといてか」
『いやいや。それを言うなら三蔵達でしょ。正確に言えばほぼ筋肉何だろうけど』
「あ?」
『体脂肪率一桁とかなんなのあんたら』
「…こないだの健康診断か」
『羨ましすぎる』
「フン。男と女じゃ筋肉のつき方なんざ違って当然だろうが」
『女は脂肪がつきやすいんですー。油断するとトド級になる』
「…」
『うわ。なにその物凄く頭悪そうなヤツを見たような眼』
「そのまんまだろうが」
『喧嘩なら買うよ三ちゃん』
「ハリセンでブッ叩くぞ」
『でた企業秘密武器。毎度どっから出すのソレ』
「教ねェ」
『私も秘密武器考えようかな、っと』
「…そこまでして鍛えてどうすんだよ」
『細いに越したことはない』
「これ以上抱き心地悪くしてみろ。ベッドから突き落とすぞ」
『…』
「なんだ」
『いや…何かちょっと意外。三蔵って良くも悪くも私のこと全く興味無いのかと』
「…」
『だからさっきからその眼なんなの』
「興味のねェ女と付き合うシュミはねぇよ」
『…おお…なるほど…』
「脂肪ぐれぇ多めにつけとけ。その方が収まりもいいからな」
『そうやって甘やかすから痩せられないんだぞ私は!』
「はッ。痩せる必要性が出てから言いやがれ」


そう言って不敵に笑う様子に、抱き寄せられた頭に奪われた呼吸

…どうやら現状は快適な抱き枕らしい。

仕方ないなとダンベルは置いて広い背を抱きしめた













← | →
 
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -