はじめに。。。




こちらは、アンケにて【王道】部門第1位の
銀土 話になっております。



相変わらずの2人です。今回、アンケコメントであった土総受気味→落ち銀土を目指したり、いつものヘタレ銀時×天然・鈍感土方をかもし出したりで、とっても欲張ってみたら…。なかなかおさまりの悪い文になってしまいました……(泣)



これ、フリーにしていいのか…。かえって申し訳ないような気になってきた…。お礼文で申し訳ないって、ほんとどんだけ!!(爆)



原作設定で、ちょいちょいで沖土・神土・真選組→土が入りつつ、一番甘いのは銀土。お前らもう付き合ってるじゃん、みたいな感じで。
こんな感じでもよろしければ、次をどうぞ!^^;





四萬打記念アンケート 【王】第1位
【銀土】


『親御さんが心配するから、門限は守りましょう。』









その日、土方は非番だった。




「副長!お、おおお俺も今日非番なんです!!よよよよかったら、ええええ映画にでもごごごごごご一緒に…」

「…悪い。先約があってな」



土方は申し訳なさそうに顔を歪めて、隊士の誘いを断る。隊士はすごすごと土方の部屋を退出していった。



これで何度目だろうか?
がっくり肩を落とす隊士の姿をこれ以上量産したくないな…と、土方は溜め息を吐いた。





いつも非番の日になると隊士たちが自分を何かしらに誘う。映画だったり食事だったり美術館だったり、それはいろいろだ。土方は他に用事がないときで、その誘いの内容に惹かれるときは乗ることがある。





しかし、今日はダメだった。約束があるのだ。





土方はハイネックの茶色のアンダーにいつもの黒の着流しを着て、藍色のコートを羽織って首には少し大きめの赤のマフラーを巻いた。懐の財布と煙草・腰の愛刀を確認して部屋を出て、門番に「出てくる」と告げて屯所の門をくぐる。







と、そのときだった。



「そんなに急いでどこに行くんですかィ?」



門を出てすぐの塀に、沖田が立っていた。いつものふざけたアイマスクをくいっとあげて、土方をじっと見る。
土方は顔を歪めた。



「…おい、仕事は?」

「今ちょうどひと段落したところでさァ。俺も今日は午後から非番なんで」

「そう、だっけか?」

「この間、緊急に捕り物が入って潰れた分の非番です」

「あぁ…、3日前の…」



土方は納得したように頷く。沖田はそれを見届けてから、もう一度先ほどの質問を投げかける。




「で?土方さんはそんなに急いでどこに行くんですかィ?」

「俺?俺は…「俺も、一緒に行ってもいいですか?」

「え?」



土方の返事を遮り、沖田は言葉を紡ぐ。
土方はきょとんとして後、どうだろうなぁ…と首を傾げる。



「俺は別にいいと思うが…あいつらに聞いてみるか?……つか、そもそもお前、俺がどこに行くかわかるのか?」

「土方さんの行動パターンなんかお見通しですぜ」

「…腹の立つ言い方すんな」



むっとしながら、土方はごそごそと懐を探る。
だが、目的の物が見当たらない。




「……無ぇ」

コートのポケットも探るがやっぱり無かった。夢中になって探していると、おでこに何かがあたる。



「いって!」

目の前を見ればそこには、自分が今探していた物……土方の携帯があった。
沖田が勝ち誇ったような表情で土方を見つつ、ストラップの紐を掴んでこれ見よがしに土方の携帯をぷらぷらと揺らしている。



「お探し物はこれですかィ、土方さん?」

「…なんでお前が俺の携帯持ってんだ…」

「今朝、食堂に落ちてるのを俺が拾ってあげたんですぜ」

「そうか。ありがとよ。こっちに寄越せ」



土方が携帯を掴もうと手を伸ばすと、沖田は携帯をするりと背後に隠す。
土方は怒るというより呆れたように溜め息を吐いて、「総悟…」と呟いた。



「返せ。…わかった、お前も連れてってやるから」

「なんで非番のときまであんたと顔合わせないといけないんですかィ?お断りでェ」

「おま…っ、どっちなわけ!?」


とうとうイラっとしたのか、土方が声を荒げる。
沖田はそれに動じることなく。人差し指を土方の目の前に出して偉そうに発言する。





「門限は21時ですぜ」

「はぁ??」

「約束できねぇんなら、これは返しやせん」

そう言って、折りたたみ式の土方の携帯を逆側に折り曲げようと手に力を込め始める。
慌てたのは土方だ。



「ば…っ、馬鹿!それ新しくしたばっか…っ。わ、わかった!つーか、もともと21時までには帰る予定だったって!!」

「…そうですかィ」



ぽいっとあっさり土方の携帯を沖田は手放し。土方は慌ててそれをキャッチする。
あまりのあっさりぶりにほっとするものの、土方は訝しそうに沖田を凝視する。こんなにあっさり沖田が引き下がるのが、いつも沖田の嫌がらせを受け続けている土方にとってみれば不思議というか不気味に感じたのだ。



そんな土方の視線ににんまりと沖田は笑って、くるりと屯所の門へ方向転換し土方に背を向けて。

「今日はそれで勘弁してやりまさァ。ただし」
“門限までに帰ってこなかったらパトカー総動員でお迎えにあがりやすから。肝に銘じててくだせェよ”




あんまりな台詞に土方は沖田が去ってからもしばしぼんやりし。そして我に返ってひとこと。

「…門限って………俺、女子高生?」






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