ハピバ! 【銀時編T】@








不当だ…横暴だ…策略だ…………。
あいつら、俺のこと憎いんだろうか……?




俺は、あいつらの不当な策略によってひどい重労働を課せられた。
今回の依頼は工事現場の仕事。一人でいいという話で、もうかなり前から依頼していたらしいんだが、俺はこの万事屋の主だっていうのにまさに今朝聞かされた。


今日、珍しく神楽は朝から定春と出かけていて、新八も昨日「明日はお休みいただきます」って言って今日は俺だけ。
そのときに呼び鈴が鳴って出てみると、その依頼の話を聞かされたのだ。



…おいおい…。さすがの銀さんも絶句なんだけど…。



迎えに来た男に聞くと、10日なら俺が空いてると聞いてその日に合わせて工事を始めたらしい。工事はじめは何かと忙しいらしく、少しでも人手が欲しいそうだ。メガネの子とチャイナ服を着た子に了解は得たけどね、と首を傾げている。

信用第一の万事屋稼業。それに財布にはもう一銭も入っていないってこともあって。
俺は渋々仕事に出たのだった。




…あんのガキどもっ!帰ったら覚えてやがれっっ!!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


…疲れた…。……久々にしんどかった……。

こんなに疲れるのは久々で、もう年かなって思う。



日雇いだったから即金はもらえた。また頼むよ、とか言われたがもう二度と受けねぇ。現場監督だかなんだか知らねぇが、ぐちぐちぐちぐちうるせぇジジィはいるしよ。別に飴舐めながら仕事したっていいじゃん。俺から糖分とって、殺す気かよ!!



せっかくもらった金で一杯引っ掛けてやろうかとも思ったんだが、もうへとへともへとへとだったしまっすぐ帰ることにした。
…あいつらを怒鳴る余力も残しておかないといけねぇしな。




**************


「お〜い、今帰ったぞ〜〜」

明かりがついてるから、少なくとも神楽はいるだろうとあたりをつけて俺は玄関から声をかけた。
がらがらっと玄関を開けて、ブーツを脱ぎながら、履物が2つあるのを確認した。見覚えのある履物は神楽と新八のものだ。新八もいるのか?

ちょうどいい。2人まとめて文句言ってやろう。



俺は応接間に続く廊下を歩きながら扉の向こうのあいつらに聞こえるように喋る。できるだけこの胸の苛立ちを伝えるように低い声で言ってやった。

「おい、お前らな。依頼受けたんならちゃんと俺に伝えろよ。今日俺がどんだけ驚いて、どんだけしんどい思いをしてきたか…。わかるのか、コノヤロー………!?」



応接間の引き戸に手をかけてでっかい声で文句を言おうとした、そのとき。




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