毛利先輩の家でだらだらしてたら(何度か先輩に踏まれたが私は負けなかった)不意にインターホンが鳴り響いた。


「先輩お客」

「…気のせいぞ」


不機嫌です、と言った顔の毛利先輩
えええええ
まぁ先輩がそう言うなら何も言わないけど


ピンポーン


「…先輩」

「気のせいぞ」


ピンポーン、ピンポーピンポピンポピン…
連打されるインターフォン
ピンポピンポピンって…


「…斬滅してくれよう」

「先輩それ石田君の台詞ッス」


というか迷惑な人だな…いやいやさっき同じことしただろとかそんなまさか私は常識人…ごめんなさい以後気をつけます。多分30分後には忘れているだろう。

読んでいた本を閉じあからさまに不愉快ですといったように立ち上がる毛利先輩はそのまみ玄関のドアを勢いよく開けた。勢いよく。
大切なことは二回言わなきゃいけないらしいと最近聞いたので実践してみた。

ガンっていう鈍い音やイテッという声はきっと気のせいだろう、と玄関の方を向いていた顔を携帯に戻す。

かすがさんからメールだ。うは、幸せすぎる今なら猿先輩に優しくできるかもしれない。かもしれないだけだが。


「気色がわるい」


何事もなかったのように帰ってきた毛利先輩にそんなことを言われたが気にしない。


「お客さん誰でした?」

「ふん、客など来ておらぬ。どこぞの蛆虫がチャイムで悪戯しただけぞ」

「えええええ蛆虫すげぇっていうか気持ち悪いッスそれ」


蛆虫とか…うへぇ。
虫は平気だけど先輩ん家のチャイムに群がる蛆虫とか気持ち悪い。


「誰が蛆虫だ!」


バンッとドアを開け飛び込んできたのはいつぞやの銀髪さん。でこが赤い。ぷっ


「ってあ?この前のちびっ子じゃねぇか。もしかしてお前らそういう仲…」

「虫酸が走るようなこと言うでない蛆虫」

「虫唾…先輩ひでぇっス」


まぁ確かに気持ち悪くはあるけど


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