休日ってテンションあがる。
市ちゃんやかすがさんに会えないのは残念だけど遅くまで寝てられるしゴロゴロ出来るし最高。
なんてのは一人暮らしを始める前までの話なわけで今はそこそこ早い時間に起き、溜まった洗濯をしたり掃除をしたり買い出しに言ったりで思いの外休めないがまぁ、あれだ。休日と言うだけでテンションは上がるものだ。
「あ、そうだ」
家事が一段落ついた昼時。
ふと思い立って荷物を持ち隣の部屋のインターフォンを押す。
「もーり先輩ー」
インターファンを連打しながら家主のなまえを呼べば「いい加減にせんか!」とドアが開くと同時に頭を叩かれた。
「いって、いってーっすよ毛利先輩…!」
一回で出てくれない先輩が悪いのになんて仕打ちだ。
「で、何の用だ」
「あ、昨日肉じゃが作りすぎたんでおすそ分けです。変わりに白いご飯下さい」
「……入るがよい」
よっしゃご飯げっと。
これは所謂物々交換というやつで白米は高い上に重たいからとなかなか買わない私はおすそ分けと称しおかずを持参し毛利先輩のお家に言ってはご飯をもらう。
いい米なのかいい炊飯器なのか…多分両方だけど毛利先輩ん家のご飯めちゃくちゃ美味いのだよ。
ご飯をよそう先輩の横で持ってきた肉じゃがをレンジで温め勝手に冷蔵庫からお茶を取り出しグラスに注ぐ。最初は文句を言われたが今では諦めたのか今では何もいわれない。粘り勝ちだ。いえーい。
「いただきます」
ぱちんと手を合わせて先輩が出してくれたお浸し(先輩もちょうどお昼の準備をしていたらしい)に手を伸ばす。
「ちょーうまいっす」
「日本語で話せ」
「凄く美味しいです」
ギロリと睨まれたので素直に言い直せば満足げな顔をされた。
「あ、昨日猿先輩に毛利先輩と仲いいのかって聞かれました」
「…なんて答えたのだ」
「仲良しですって」
そしたら俺様は?と聞かれたから素直に他人以上知り合い未満と答えたらがっくりと肩を落とし、それをかすがさんがゴミを見るような目でいた。そんなかすがさんも素敵です。
「あと前に焼きそばくれた銀髪さんがさっきそこのスーパーにいましたよ」
「次に会ったら我に連絡しろ」
焼き消してやるわ、と言う毛利先輩の言葉は耳に入らずただ二人は仲良しなんだなぁ、と肉じゃがを口にいれた。
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