六時間目の体育の時間に忘れ物をしたため放課後体育館に取りに来た、ら


「(ええええ乱闘始まっちゃった!)」


隠れているため相手が誰がはいまいち把握出来ていないけど取り敢えず桜木君や10組のる、るか、流川?くん?がぼろぼろで、バスケ部にしては小柄な癖っ毛の先輩とかみんなも殴られて、殴り返して、桜木軍団が乱入して…


「あの人は、」


水戸君と対面している長髪の人

そうだ、さっきからなんども呼ばれてたじゃないか


―中学の時にMVPを取り、安西先生を慕い湘北に入学
全国を目指し練習に励むも怪我でバスケを離れる
眼鏡の先輩が話した過去

そして


「安西、先生」


体育館に入ってきた先生を見つめ、崩れ落ちるその姿


「バスケが、したいです」


その声に胸がツキンと痛んだ。



隠れていた体育館倉庫から出ると同時に先生達が突入し三井先輩を庇った水戸君達が先生に連れられていく。


「桜木君!」


怪我だらけの桜木君にあわあわと駆け寄る。


「牧野さん!?何故ここに…」

「忘れ物取りに来たらたまたま…っていうか怪我だらけ…!」


取り敢えず傷口洗わなきゃ、と桜木君に告げ視線をずらせばゆっくりと体育館を出て行く一人の姿が目に入った。


「三井先輩!」


名前を呼んで、振り返ったその人にハンカチを投げつける。


「すずり…?」


私を見て目を見開く三井先輩


「先輩の馬鹿」

「…」

「ばか、はげ、根性なし」

「ああ?」

「次逃げたら一生根性なしって呼んでやりますから!」


ふん、と先輩に背を向け体育館を見ればば一気に視線が集っていた。


「ええええ、えっと、あの、」

「牧野さん!」

「な、なに?」

「あの女男と知り合いなんですか!?」


あ、ああ
そういうことか


三井寿先輩。
この高校に入ったと聞いていたけどあまりに姿を見ないからその情報自体デマだったんじゃないかとすら思っていた人。


「中学がね、一緒だったんだよ」

「中学が?」

「うん。で、私お兄ちゃんがいるんだけどバスケやってて、三井先輩が一年の時の三年生でキャプテンやってたんだ。
だから私がお兄ちゃんの妹だって知った先輩達に可愛がってもらってたの」


まさか先輩がぐれてるなんて思ってなくてびっくりした、と笑えば桜木君は納得したように頷いた。


「怪我、ちゃんと手当てしなね。じゃあ私はこれで…あ、今日の事はちゃんと他言しませんから!」


バッと頭を下げて体育館を後にする。

それにしてもいろいろ驚いて疲れたなー。


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