ゲーム対決は姫川先輩がゲーム会社を買い取ったりなんでかマンションが崩壊したりとよくわからない展開のまま終わりその後新しい校舎が出来たと思ったらあくまのがくえん?に乗っ取られてて?なんかよくわからないけど決闘みたくなって結果また校舎が崩壊した、らしい。

その間ずっと寝込んでたから夏目先輩と古市くんから聞かされた内容しかわからないわけだけどとりあえずあれだ、なんだそれ。


「マンションや校舎ってそんな簡単に…あ、男鹿君か」

『都ちゃん正解』


電話の向こうで古市くんがはぁぁぁぁあ、と盛大な溜め息をつく。


「なんか男鹿君だからしょうがないって思える自分がいる」

『都ちゃんって順応性高いよね』

「初めて言われた」


へたれとかびびりとか生意気とか面倒くさいとかはよく言われるけど。あれ、なんか悪口ばかりだ…うう…

それから少しだけ話をして電話をきる。
そろそろあの和室が恋しくなってきたんだけど壊れてしまったものはしょうがない、かな。


「都ー、はじめくんが来たわよ」

「えー」

「えーってなんだこら」


パシン、と頭を叩かれたのにはじめ先輩を見上げむっとする。

…っていうか、通す前に一声欲しかったよお母さん。
幸いパジャマじゃなくTシャツにジャージという格好をしていたため突然の来訪にも特に文句を言ったり焦ったりはしないけれど。


「熱は下がったのかよ」

「おかげ様で…こんな時期に肺炎になるとは思いませんでした」


冬ならわかるけどまだまだ暑い季節なのに。

前に肺炎にかかったのは…ああ、はじめ先輩に川に落とされた日か。


「はじめ先輩」

「あ?」

「膝、かります」


ころんと寝転がりはじめ先輩の膝に頭を乗せる。
普通は逆なんだろうけど、何故か私はこの体勢が好きだった。


「また男鹿君が校舎壊したって」

「おー」

「暫くクラスメートのままですね」


よく考え…なくても学校が元通りになったらはじめ先輩達とおんなじ教室で授業受けることなくなるのか…。


「はじめ先輩はともかく、城山先輩や由加ちゃん達と同じく教室じゃなくなるのは寂しいです」


そう言うとはじめ先輩に睨まれたけど、もうそれくらいじゃビビらない。はじめ先輩はともかく、って言ったのが悪かったんだろうな、なんて呑気に考えるくらいの余裕があるくらいに。

もぞもぞと起き上がり、先輩の膝の上に向かい合うように座って先輩の広い背中に腕を回す。
これは、膝枕より好きな体勢。
悲しいことにすっぽりと先輩の腕の中に収まることが出来、先輩の匂いに包まれ、先輩の鼓動が聞こえるから。


「あちい」


そんな文句をいいながらもちゃんと私の背中に腕を回してくれるはじめ先輩が好きだ。


「はじめ先輩」

「んだよ」

「好きー」

「あーそうですかー」

「顔真っ赤ですよ」

「うっせ」


ふふー。しあわせだ。


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