学校が壊れてしまったため聖石矢魔高校に通うことになった。
男鹿君と古市君と一緒に入った教室には何故か知っている顔がいっぱいいてつい男鹿君の後ろに隠れてしまう。


「あ、東海林ちゃんおはよう」

「テメェもこのクラスかよ」

「な、夏目先輩、神崎先輩…城山先輩ぃ」


なんなんだこの教室姫川先輩とか、MK5?とか…問題児ばかり集めたって本当だったの…うう…なんで私までここに…


「その子は?」


男鹿君のシャツの裾を掴みながら三人に泣きつく私とまた泣いてんのか、と呆れる神崎先輩。夏目先輩は笑ってるし城山先輩は飴をくれた。城山先輩大好きだ。
そんな私達に話しかけてきたのは邦枝先輩。

び、美人…


「東海林都ちゃん。うちの学校唯一の一般人」

「オレは!?」

「一般人?そんな子ウチにいたのね」

「だからオレは!?」


古市君がスルーされてるけどいいのかな。…いいのかな。
邦枝先輩は私に視線を合わせにっこり笑った。


「私は邦枝葵。一年生、よね?」

「は、はい」

「ごめんなさい。女子は全員把握していたつもりだったけど…」


あ、この人いい人だ。
なんとなくそう思った。


「お、男鹿達と仲がいいの?」


そして多分男鹿君を好きなんだな。…多分。


「ちゅ、中学の同級生、で…お友達です。男鹿君は」

「オレは!?都ちゃんまで!」

「冗談だから…いや、あの、泣かないで」


なんだろう。古市君高校に入ってから更にいじられキャラになったのかな。…つい、冷たくしたくなってしまう。


「そ、そう…」


ホッとしたように胸をなで下ろす邦枝先輩。
…かわ、いい。


「神崎とかに脅されたりしてない?」


神崎先輩達に聞こえないようにかこそっと私の耳元で囁やかれた言葉に一瞬びっくりしたけど確かに端からみたら私みたいなのが神崎先輩達と一緒にいたらそう見えるのか、とすぐに気付いた。

「大丈夫、です。むしろ姫川先輩の方が…」

「あいつは外道だからね。まあ、神崎はともかく夏目達と一緒なら大丈夫か…何かあったら私も守るし…」


綺麗で可愛くてかっこいいって素敵すぎると思う。



その後列怒帝瑠の皆さんと仲良く?なったり担任と男鹿君が感電したり(どうなってるんだろあれ)なんか色々ありつつも1日がなんとなく終了した。

そして



「まあまあ、あなたが神崎君ね?いらっしゃい」


今日は先延ばしになっていた神崎先輩と我が家の顔合わせの日。


「よお、来たか神崎の倅」

「親父さんに似ているね」

「…どうも」


神崎先輩が猫を被っている…まあ、うん、そうだよね…相手は他の組…しかもそれなりの勢力の組の組長だし…。


「今日はお刺身よ」

「え、私食べれない」

「ふふ、今日はお魚が安くてね、マグロもたっぷりあるわよ」

「いやだから食べれな…」

「あ、そうそう、勿論大トロよ!」

「話聞いて…!」



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