みんなに再会してから二週間。
今日、ようやく全員がこの家に揃った。


「うわー、懐かしい」


家に入って初めに声を上げたのは猿飛だった。


「記憶のまんまでござるな」

「ああ」

「あ、これ政宗が付けた傷だろ?」


感慨深そうに声をあげる幸村と同意する政宗、けらけらと笑う慶次。


「あの頃よか狭く感じるな」

「ふん、我らがでかくなっただけぞ」

「そりゃそうだ」


天井を見上げてつぶやく元親に元就がズバッと一言。それに小十郎さんがふはっと笑う。


「(あ、なんか)」

「あきらちゃん?」

「どうしよう、凄く嬉しい…」


今まで個々と再会して、政宗と幸村に関しては最近毎日のように会っているのに、今更物凄く実感が沸いてきて。

あの日、もうこの七人に会えないと、もうこの家にみんなの声が響くことはないと胸が引き裂かれそうになった。



「―おかえりなさい」



だからこうしてこの家に全員が揃うなんて夢みたいで本当に、嬉しくて。



「―――ただいま」



無性に泣きたくなった。







それは猿飛と幸村との再会中の出来事だった。


「やりたいこと?」

「そう。せっかくみんなこっちにいるんだからさ、俺様達が帰った後にもし会えたらこういうことしたいなーとか考えなかったわけじゃないでしょ?せっかくだから実行しようよ」


ほらー、買い物とか、旅行とか。あ、熱い抱擁でもいいよ?破廉恥だぞ佐助ぇ!じょーだんですよ、旦那。

わいわいと騒ぐ2人をよそにやりたかったことかぁ、と考える。


「あ、ご飯」

「ご飯?」

「あの家で全員揃って、あの頃みたいにご飯食べたいなぁって」


もし、もう一度だけでもみんなに会えたなら
そんな有り得ない妄想をしてはみんなでまたご飯食べたいな、なんて考えていた。


「それだけ?」

「それだけっていうか…おかえりなさい、って出迎えて、みんなでわいわい食事して、だらだら話したり昼寝したり、そういうのが一番幸せだったから」


そりゃあもう一度旅行行きたいなーとか、みんなをぎゅってしたいなぁ、とかもあったけどさ。
でもいつだって思い浮かぶのは結局あの頃"日常"だと思っていた風景だった。


それからじゃあそれをしようかーまた連絡するから!と猿飛が笑ったあの日から二週間を経て、やっとそれが叶った。



「さ、ご飯にしようか!」



また、あの頃のように





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