猿飛曰わく、彼は現在大学を卒業したばかりの新成人。年齢はかわらず23歳。
元親は猿飛の通っていた大学の隣の専門学校にいて元就は大学の先輩にあたるらしい。

一昨年の春短大から大学に編入した猿飛はたまたま用があって大学に来ていた元就とその元就に絡んでいた元親に遭遇した、という。


「毛利の旦那は証券会社に勤めてるし鬼の旦那は就活中、風来坊は…相変わらずブラブラしてるよ」

「…夢吉は?」

「健在だよ」


あ、それはよかった。
それにしても元就、元親、慶次、夢吉…ふた月しか経っていないのに何年も会っていないように思える。


「…会いたいな」

「きっとすぐ会えるでござる」

「今度は連絡先交換したしね」


茶化すように言う猿飛にあはは、と笑って別れたのが一昨日の話だ。



昨日は一日中死んだように眠っていた。おかげでここ数ヶ月の疲れはすっかりとれてやっと布団を干したりコタツを片付けたり、家のことをする気になれ今日は一日家の掃除に時間を費やしてた。


「あとは…あ、パソコン新しいの買わなきゃ…」


前に使っていたのはうっかり壊してしまいそれから買わないでいたのだが職を探すにもパソコンはあった方がいい。


そう思い店に来たのはいいものの。ノートにするかデスクトップにするか…まずそこからだ。


「(前はデスクトップだったけど仕事で持ち歩く必要があるならノートの方がいいし…)」


古い型だけどノートは一応持ってるからデスクトップにしようかな。家で使うことが多いのだから。

次はどのパソコンにするか。
生憎パソコンは得意だけどどれがいいとかそういうのはわからない。かろうじてこのメーカーは壊れやすい、とかそういうのがわかる位だ。


「うーん…」


前のはこれの旧型だったけどそれなりだったし、これにしようかな。でもなぁ…


「それにするんならこっちの方がいいぜ」

「え?」


うーん、とうなっていた私の横から聞こえた助言に思わず顔を上げれば


「…元親…?」

「あ?……あきら!?」


ああ、猿飛達に続いてなんて"らしい"再会場所だろう。





「ありがとう、おかげで助かった」「おう。にしても…久しぶりだな」


再会の感動を味わう間もなく場所とここにいる目的を思い出し元親に相談すればすぐにお前が使うなら…とおすすめのパソコンを教えてくれ、値段や外観も気に入りそのパソコンを購入したのが数分前。

元親の好意でパソコンを車まで運んで貰って今に至る。


「私的にはふた月振り」

「おらぁ…何百年ぶりだ?体感的には数十年だな」

「そっかー。うん、そうなるのか」


元親は元の世界に帰り長かれ短かれ人生を送り、それから数百年の時を経て転生しこの世界でまた20年以上の時を過ごした。

そして、ようやくの再会。


「大きくなったね」

「あの頃が小さくなってたんだよ」

「あはは」


確かに。
政宗も、幸村も、元親も、みんな大きくなってしまいなんだか寂しい気もする。


「お、来たか」

「え?」


元親の言葉に後ろを振り向けば見覚えのある姿


「あきら!」


ドタドタとこちらに駆けてくる大きな青年と


「ええい引っ張るなうつけが!」


それに引きずられるように走る青年


「慶次!元就!」


名前を呼んだ瞬間、相変わらずの太い腕にガバッと抱きつかれおうふ、なんていう色気の欠片もない声を出してしまう。


「久しぶり、二人とも」


慶次の腕から抜け出し笑いかける。

相変わらずの慶次に綺麗に成長した元就。ああ、なんか、うん。嬉しいな。


「キキッ」

「わ、夢吉も久しぶり」


胸に飛び込んできた夢吉を抱きしめる。すり寄る仕草が可愛い。


「ははっ、記憶のまんまだ」

「私からしてみればふた月しか経ってないしね」

「相変わらずの間抜け面よ」

「なんだろこら」


つい癖で元就の頬を掴もうとしてもうあのふにふにほっぺじゃないことを思い出しなんとなく頭をぐしゃぐしゃにしてみた。怒られたけど…そこはまあスルーだ。






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