※時間軸は旅行から帰ってきて少ししたくらい



朝。
いつも通り顔を洗ってリビングの扉を開けた瞬間、私は固まった。


「あ、あはー」


へらっと笑う猿飛。
その周りには見知った二人と見知らぬ四人。



知ってはいる、と思う

ただ知らない姿というか…


「今度はでっかくなった?」


まぁ、そういうことだ。




取りあえず一息吐こうとソファーに座りお茶を啜る。

先ほどからバイブが止まらない携帯はひとまずシカトしよう。


「えっと…端からゆき、政宗、元就、それと…元親でいいかな」


そうでござる、あぁ、見てわからぬか、何だよその間
というそれぞれの返答に再び鳴りだした携帯を取る。


「…もしもし」

『出るのがおせー』

「うるさいです。起きがけの頭で必死に目の前の出来事を整理してたんですからしょうがないでしょう。…で?」

『…まぁ、見た通りだ。安心しろ。二日で戻る』


え、戻るの?


『修正の関係で一時的に戻さなきゃいけなくなったんだよ。
本来なら毛利元就、長曾我部元親はそのまま戻しちまってもいいんだが小さいほうが都合いいから明後日には本に戻す』

「…了解です」


ぴっと電話を切ってため息を一つつき、集まる七つの視線に顔を上げる。


「みんなに残念なお知らせです」

「ざ、残念?」


私の言葉に幸村がごくりと喉を鳴らす。


「明後日には小さい姿に戻るって」

「sit!」


悪態を吐いたのは政宗。他の三人も不満げな表情だ。


「(…にしても)」


本来の姿に戻った四人をチラリとみる。


「元親…」

「なんだ?」

「…かわいくない」


時の流れは残酷だ。

あんなにかわいかった顔はすっかり凛々しくなりひょろかった体はがっしりと、身長もかなり高い。


「でもかっこいい」


そう言うと元親は目を見開いた後にっかりと笑う。

他の三人はほぼそのまま成長した感じ…というか幸村本当に変わらないんだけどなんでだ?あぁでも見事なジャニーズ顔。

政宗は色気があるな…なんだ、奥州の人間はみんな色気むんむんなのか。

元就は線の細さはそのままの美人さんだ。


「なんだろ、これが本来の姿なのに息子の成長を喜ぶ母親気分。こんな立派になっちゃって…」


中身は一緒なのになぁ…

元親は慶次の服かな?
政宗と幸村は猿飛の…やっぱりちょっと大きいんだ。
元就のは元々自称神が用意したやつか。

まぁ、二日間だけだから買う必要はないかな。


「そっかぁ…みんな子供じゃないんだっけ」


普段の姿があれだから実感がわかなかったけど。
変な感じだ。


「なんか寂しい…ま、明後日には戻るからいっか」


ぼそりと呟いた言葉に四人が軽くへこんだ気がしたがスルーしよう。




そんなこんなで落ち着いた所で無事に朝食を終え一息吐いたところでふと目の前で胡座をかきテレビを見ている元親の後ろ姿を眺める。


「どうしたの、あきらちゃん」


鬼の旦那に熱視線送っちゃってー、と茶化す猿飛がウザくて思わず舌打ちを一つ。小十郎さんに素がバレたせいか最近素が出やすくなってしまった…危ない危ない。


「あきらちゃん最近ますます俺様に遠慮なくなってきたよね。あ、もしかして気を許してくれたってこと…」

「あれですよね、」

「あれ、シカト?」

「元親の背中っていうか腰って言うか…って何へこんでるんですか?」


いいよもう。それより鬼の旦那の腰がどうかした?
あぁ、あれです


「飛びつきたくなる」


一瞬、部屋の空気が固まった気がした。


「ほら、前にフェチの話したじゃないですか。
その時猿飛さんの腰がいいって言ったけど元親の方がこう…そそる?」

「あきらちゃん?」

「政宗の手ももやばいですよね。あと首筋。幸村の腰も好み…腹筋とか割れてそう。細身で無駄のない筋肉とか美味しすぎ…」

「ちょ、あきらちゃん帰ってきて!?」

「いっけね。つい本音が…」


キャラが違うとか気にしたら負けだと思う。

我ながら旅行以降自由になったと実感。


「我はどうだ」

「元就は姿勢綺麗。背中に寄り添いたくなる。あと鼻筋が…」

「もうやめたげて、右目の旦那の視線が痛い…」


…ごめんなさい




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久々の更新がこんなんでごめんなさい





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