白いけれど透けないようになっている生地なのでそのまま下着の上に着てみる。
半袖のそのワンピースは胸元のレースの左端にやっぱりブランドマークがちょこんとあって、腰から下は生地が柔らかいものになっていて、可愛い。

けれどやっぱり普段着ない服だからか違和感がある。


「着たか?」


試着室の外から小十郎さんの声が聞こえ少し躊躇ってからカーテンを開けた。


「…似合うじゃねぇか」

「cuteだぜ?mammy」


二人はそう言ってくれるがなんとなく踏ん切りがつかない。
新しいタイプの服を買うのはいつも勇気がいる。


「お、可愛いじゃんかあきら」


そんな時小十郎さんの後ろからひょこっと顔を出した見慣れた顔。


「タケ!」

「武お兄様、だろ?」

「いたんだ。店にいなかったから今日はいないかと思った」

「スルーかくそ餓鬼。奥にいたらお前が来たって聞いたから見に来たんだよ」


タケ、もとい武兄はこの店の店長で圭子さんの旦那さん。
更にいうと私の従兄弟にあたる人だ。


「お前こそなんだ、いつ結婚したんだ?」

「してねぇよ馬鹿。
それよりこれどう思う?」


そのネタはもういい、とバッサリきり着ているワンピースを指す。


「いいんじゃないか?普段そういう服着ねぇだろ?
圭子が喜びそうな格好だな」

「あー…圭子さんこういう格好させたがってたからね…よし、小十郎さんと政宗も褒めてくれたし買おうかなー」


たまにはこういう服もいいだろう、と購入決定。
これから用事があるというタケに礼を言い着てきた服に着替える。


「さっきの、知り合いか?」

「圭子さんって覚えてますか?あのケーキ屋の。タケは圭子さんの旦那さんで私の従兄弟なんです」

「male cousinか」

「そうそう」


カゴにワンピースを入れてそれからTシャツを何枚かとパンツを二枚選び会計を済ませば12時まであと三十分となっていた。


「小十郎さんは何か買うものありますか?」

「いや、特にねぇな」

「じゃぁ本屋にでも行きますか」好きな作家の新刊や料理の本も欲しいしあそこなら待ち合わせ場所にも近い。
それから本屋で何冊か本を買って待ち合わせ場所に行けばちょうど全員が揃いさぁ昼飯だ、となった。


「何食べたい?」

「それがしはらぁめんが食べたいでござります!」


しゅぱっと手を挙げたのは幸村。
流石、食に関しては一番早い。


「いいな、俺もらぁめん食ってみてぇ!」

「お、いいねぇ。昨日てれびで特集してて食べたかったんだよな」


それに同意したのは元親と慶次。
あぁ、だからラーメンなわけね。

他の4人も異論はないみたいなので一番近くのラーメン屋へ入る。

初めて入るラーメン屋にはしゃぐ幸村、元親、慶次、政宗の4人を黙らせながらメニューを開く。


「俺様この担々麺っての」

「それがしはみそらぁめんが!」


事前知識があるからかどんどん決めていく七人を見ながら本当に馴染んだものだ…としみじみ感じる。

最初は見るもの全てに驚いていたのに。


「全員決まった?」

「うん」

「じゃぁ頼もうか」




初めてのラーメンは全員気に入ったらしくまた連れてこいと約束させられ店を出た。


「あきら、荷物大丈夫か?」

「ん、大丈夫。ありがとう元親」


購入した本と雑貨の一部は鞄に入れたが服と残りの雑貨に両手を塞がれ重くないもの確かに大荷物に見える。

手伝うか?という元親の提案を丁重に断り荷物を持ち直す。


「夕飯の買い物は必要そうですか?」


最近すっかり台所の管理人となった猿飛と小十郎さんに尋ねれば必要ないとの事なのでこのまま帰宅することになった。


久しぶりにいっぱい買い物して大満足だ。

幸村はおいしいものをいっぱい食べれたと喜び猿飛はカチューシャを買い政宗は格好いい眼帯を買ったらしい。小十郎さんは本屋で家庭菜園の本を買ってたし元就はお小遣いを目一杯使って本を、元親はプラモデル、慶次は洋服を買ってみんなも楽しめたようでよかった。


…問題も起こらなかったしね


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