桶の中で湯に浸かる夢吉に癒されながらも入浴は終わり昨日と違いちゃんとパジャマ(と言ってもTシャツとスウェットだけど)を着てリビングに戻る。


「お、おかえり」

「ただいま。はい、夢吉」


ソファーで寛いでた慶次に私が髪を乾かしている間に寝てしまった夢吉を渡す。

タオルにくるまって眠る姿がやけに可愛くて頬がゆるむ。


「動物好きなの?」


そんな私に小十郎さんと台所で恐らく朝食の仕込みをしている猿飛が問い掛けた。


「好きですよー。動物は大好きです。よく意外って言われるけど」


普段口が悪いし冷たいとか言われる私が動物好きだと言うと本性を知ってる人間は大概「ギャップ狙いか」と笑う。失礼にもほどがある。

冷蔵庫からビールを取り出して飲みながらソファーに座りテレビをつける。

親父くさいとかそんなの気にしない。

やっていたのはバラエティー番組で、今一番旬な歌手グループが出ていた。


「慶次、どれが好み?」

「そうだなー、あの一番右の子」

「清楚系?意外」


でもないか。

女の子達がキャッキャ言いながらゲームをしている。
可愛いなぁ。

不意に部屋を見渡してみる。


「どうした?」

「…いや、花がないなぁ、と」


男しかいない。今寝てる四人もみんな男だし。


「もし次追加で誰か来るなら女の子がいいな」


これだけ美形揃いなんだ。きっと女の子も可愛い子が来るだろう。
なんて、所詮私の願望だけど。


「女の子が恋しい。くそー野郎しかいないとか…抱きつきたい撫で回したい癒されたい」


猿飛と小十郎さんの冷たい視線なんか気にしない。


「女の子好きなんだ?」

「大好物」


即答すれば流石に小十郎さんに頭を叩かれた。


「じゃぁさ、男ならどんなのが好みなんだい?」

「男?」


うーん、と首を傾げる。
好みか。ちょっと難しい。


「色々理想はあるけどねぇ…あ、この三人なら小十郎さんが一番好み」

「ええー」


なんで珍獣を見るような目で見るんだ猿飛よ。
そしていつの間に君らは酒を飲み出したんだ。


「いつもの格好もいいけど今みたいに髪下ろして和服着てるとやばい」


色気とか色々。


「基本的に全部好みだけどね。
声とか手とか、背中とか」

「あはー、右目の旦那照れてる」

「うるせぇ!」


そういう所も好きだと言ったら更に照れるだろうから言わないけれども。


「じゃぁ逆にどんな女の子が好み?フェチとかある?」

「ふぇち?」

「胸とか足とか、ここに魅力を感じるーみたいなの」


因みに男友達は足フェチが多かった。あと尻。
私は女の子なら二の腕が好きだけど。


「俺様はやっぱり胸だね」

「あーそれっぽい。巨乳派?美乳派?」

「お前はもう少し慎みを持て!」


また怒られた。
悪いが私にすればこれ位挨拶程度。高校時代はもっと凄かったぞ。


「俺は髪!あと匂いかな」

「へぇ。匂いはちょっとわかるかも」

「右目の兄さんは?」

「さぁな」


あ、ごまかした。


「あきらちゃんはふぇちあるの?」

「挙げだしたらキリないよ?
声とか背中とか手とか腰、あと胸板?
女の子だったら二の腕が好き。それと鎖骨」


全部が全部揃ってなきゃやだとかでもないが。女の子に関しては変態くさいとよく言われたな…


「あきらちゃんもしかして甘えた?」

「ん。くっつきたがり」


流石にバレたか。
腰、背中、胸板に魅力を感じる人は割と甘えた願望が強いという。


「でもここにいる三人は割と理想が揃ってるんだよ」

「例えば?」

「背中と声は小十郎さん。手は全員、胸板は慶次、腰は猿飛さん」


特に小十郎さんの声と猿飛の手、慶次の胸板はやばい。


「腰、ねぇ?よくわかんないけど」

「細めが好きなんですよ。抱きつきたくなる」

「来る?」

「遠慮します」


思うだけで実際しようとは思いません。



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閑話
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