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この話の設定を引き継いでます







「今度の日曜日、なんか予定ある?」

えっ、と息がつまる感覚をおぼえた。

南沢先輩、日曜日は私の日じゃないですよ。なんていいそうになってしまった。こんな関係になれてしまった証拠、だろうか。
一瞬相手を間違えてるんじゃないかとおもったのだけど、ここには私と先輩しかいない、そして先輩はにっこりと柔らかな笑みでこちらを見つめている。私、だけを。

「いいん、ですか…?」
「…キミは俺の彼女だろ、当然だよ」

どういう風の吹きまわし、なんていう表現は冷たい印象をあたえるからあまり好きじゃない、けど、
今回はその言葉がしっくりくるとおもった。

「なにか予定があるんなら…無理にとはいわない」

しぶる私に、先輩は眉をさげて残念そうにいう。

(その表情は計算ですか、それとも素なんですか、)

そんな先輩に対して邪険に断りをいれることもできず、というかこんなの嬉しくないわけがないので、全力の笑顔でぜひ!とお答えするしかないのです。



なにを着ていこう、精一杯のおしゃれをしていけば、先輩は可愛いと言ってくれますか。

(緊張する…、)

今夜は蒸す。寝苦しいくらい、蒸し暑い夜。

明日は日曜日、先輩との初めてのデートも相まって、私はなかなか寝付けないでいた。

はやく先輩に会いたい。はやく夜が明ければいい。

そんなことばかりが頭をまわっていた。





とても気持ちの悪い朝だ。
湿気で体中がべとべとして、髪の毛もばさばさ。

朝ご飯の前にシャワーだ、シャワーが先決だ。
朝7時、二度寝なんてできる具合じゃないことは確か。

先輩との待ち合わせには十分時間がある、ゆっくり支度をしよう。
温かい湯で全身の汗を洗いながら、私は心臓がとてつもなく早く動いていることに気がついた。

今日は先輩と初デート、なんだ。