ディなのにおいしそう
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 突然のことにバーナビーは固まった。どうして、なんで、いつから気付いて……?言葉が渦巻いて声を発することができない。やっとのことで返事をしたが、声が裏返ってしまった。

「なっ……、何を根拠に……」

 虎徹の指先が入ってくる。第一関節、第ニ関節まで入っただろうか。異物を受け入れることに慣れてしまっているそこは虎徹を拒みきることができない。

「シャワーんときとか、俺が着替えてるときとか、人のこと散々視姦してるくせに。俺が気付いてないとでも思ってた?気付かないふりすんの、結構大変だったんだぜ」
「そんな……」

 そんなの、あなたの勘違いです。そう言ってしまえば良かったのに言いそびれてしまった。虎徹の指先がバーナビーの中で曲げられる。思わず媚びるような甘ったるい声を上げてしまった。

「な?もういい加減折れろって」

 バーナビーの身体は悦んで虎徹の指に絡み付く。もっともっとと、はしたなく強請るようにひくつくそこを自制できなくて、濡らされたわけでもないのに潤ってきたバーナビーの中は二本目の指も受け入れてしまった。

「はは、すっげ。ココも弄ると濡れるんだな……ヌルヌルしてきた」
「や、もうっ、抜いてください!」

 恥ずかしくて恥ずかしくて、羞恥に頭がくらくらする。これは本当に僕が知る虎徹さんなんだろうか。男となんて経験ないだろうに彼はあっさりと一線を越えようとしている。

「なあ、バニーちゃんはどうされるのが好きなの」
「ひゃあっ!」

 指を抜けない程度まで引かれ、すぐにぐっと押し込まれる。虎徹はバーナビーの弱い箇所をもう覚えてしまったようだ。バーナビーが涙目で睨んでも虎徹は意地悪く口角を上げて犬歯を覗かせるだけで指を抜こうとはしない。虎徹の指の動きは気持ちが良くて身体の力が抜けて理性までドロドロに溶けてしまいそうになる。このまま何も考えず本能のままに身体を繋いで虎徹さんとのセックスに没頭することができたらどんなに幸せだろう。

「……教えてくれないと、オジサンの入れちゃうよ?」
「ああっ、もう……っ!わかりました、わかったから一度抜いて!」
「……了解」
 
 虎徹は素直に指を抜いてくれてバーナビーは深く息を吐き出した。自分の心臓の鼓動が速くて五月蝿い。身体が熱くて部屋の中は空調により適温に保たれているはずなのに肌が汗ばむ。虎徹と視線がかちあったがバーナビーは視線を反らした。

「腕も、解いてくれませんか。……もう逃げませんから」

 こうなったら、とにかく一度やってしまおう。今はNEXTの能力の影響で虎徹さんもまともじゃないだけで、一発抜いてしまえば正気に戻るかもしれない。元に戻れば今日のことなんて覚えてすらいないのかもしれない。バーナビーはそう考えた。それなのに。

「やだね」
「ちょ……、虎徹さん?」
「解いてやんねぇよ。やっぱ我慢できねぇわ」

 自分の上唇をべろりと舐めた虎徹が次にどんな行動に出るのか、バーナビーには容易に想像がついて彼から逃げようとした。背中を向けたバーナビーの引き締まった腰を虎徹が掴む。引き寄せられて、せめてもの抵抗とバーナビーは尻にしっかりと力を込めた。そんなバーナビーを嘲笑うように虎徹は白い尻尾を指先で撫で上げる。ゾワゾワとした感覚が背筋を這い上がり身体から力が抜けてしまう。

「ひあぅっ!やっ、アッ――!」

 ズブズブと、背後から一息に貫かれた。指で慣らされていたとはいえ、中は十分に濡れておらず力技で押し込まれてジンジンと後ろが痛む。後ろを使う行為に慣れているとはいえ、こんな乱暴にされたことはない。痛みから逃げようと前に進もうとするバーナビーの腕を虎徹は引いて阻んだ。

「逃げんな、バニー。……けど、きっつ、食いちぎられそうだ……」
「っ……、当たり前、ですよ……。無茶して、オジサンのくせに……」
「……オジサン、言うな」

 ずるずるとゆっくり引き抜かれ背筋がゾワリと粟立った。自分の意志とは関係なしに声が上がってしまう。

「あっ、あ、や、だ、それっ…!」
「ンー?……こう?」

 ぐりぐりと奥深くまで押し込まれ、時間をかけてゆっくりと引き抜かれる。虎徹さんの熱くて太くて硬いモノが僕の中を拡げ、僕の肉は悦んでそれを受け入れ、引き抜かれると引き留めるようにうごめいて締め付けてしまうのが自分でもわかってしまう。

「ひゃうっアッ!むり、いっちゃ、あっ!」
「ふはっ、すっげ、バニーちゃん。腰揺れてるし」
「や、あっ、だって、きもちいっ!」

 抜き差しするたびにクチュクチュと鳴る水音を、やたら聴こえのいい耳が大音量で拾ってしまう。恥ずかしくてたまらないけれど、それも僕の興奮を煽る材料の一部となって僕を酔わせた。
 明日からのことなんて、もうどうでもいい。









 
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