ンサムな彼女
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こうなることを望んだのは自分だけれど、今日の虎徹さんは少し怖い。
バーナビーが見つめる前で、虎徹はパンツと一緒に下着も脱ぎ、脱いだ衣服をまとめて床へ放り投げた。そのまま膝立ちで前進しバーナビーの顔を跨いでくる。虎徹は自身の陰茎でバーナビーの白い頬を打った。

「しゃぶれよ。口開けて」

正直な話、僕は一度ならずそれに触れてみたいと思ったことがある。
シャワーや着替えの際に故意にではなく見てしまった時なんて、恥ずかしいことにそれをおかずにして自慰をしてしまった。それが今、手の届くところにある。先程彼に感じた恐怖心は好奇心に掻き消されてしまった。虎徹の陰茎はカフェオレのような色をしていて、青臭い匂いはしたが不快ではない。唇に先端を擦り付けられ一瞬躊躇ったが、口を開き先端をくわえてみると口の中にしょっぱいような味が広がる。しかし取り敢えず口に含んではみたけれど、口淫なんてするのは勿論初めてだし、されたこともないのでそこからどうすればいいのかがわからない。

「……舌使って、舐めるんだ。歯は立てるなよ」

バーナビーが不慣れだと察したのか、虎徹から指示が飛んできた。下手くそだと思われるのは嫌だった。虎徹の腰に手を回し、口を大きく開けて口に入るだけ頬張ってみる。口の中がいっぱいになりやりづらかったけれど、指示された通り動く範囲で舌も動かした。口の中に溢れた唾液を飲もうと喉を動かしたが、喉奥まで収まっている虎徹の物が邪魔をしてうまく飲み込めない。精一杯開いた唇の端から唾液が溢れた。
「ふっ……、やべぇ、今の」

今の、とはどれのことだろう。でも褒められたことは嬉しかった。頭上にいる虎徹さんの表情までは確かめることができないけれど、耳に届く彼の息遣いに興奮する。感じてくれるのが嬉しくて、僕はもっと奥までくわえようと口を大きく開いた。その時だった。

「っ、ぐ……」

前髪を掴まれて、喉奥に当たるまで捩り込まれた。喉奥を突かれ嘔吐感が込み上げたのを必死でやり過ごす。それからゆっくりと引き抜かれ、ホッとしたのも束の間、また喉奥を突かれた。

「んっ、ン――ッ!」

頭を掴まれ、腰を使われているのだとわかった。繰り返し喉を突かれて胃液が込み上げてくる。でも絶対に吐いてはいけない。そんなことをすれば虎徹さんに嫌われてしまう。逆流してくる胃液を必死で飲み込み、込み上げる嘔吐感をやり過ごした。
泣きたくなんてないのに涙が溢れ、鼻も詰まってきて息もできない。苦しくて虎徹さんの身体を叩いたが、些細な抵抗は腕を掴まれてあっさりと封じられてしまった。もう嘔吐感よりも酸欠で頭がクラクラしてきて、ようやく口から引き抜かれた頃には僕の意識は飛びかけていた。

「っ……」

顔面がドロリと温かい物で濡れ、朦朧としていた僕はなかば無意識にそれを手の甲で拭って舐めた。匂いと味からそれが虎徹さんの精液なのだと気付いて、ぼんやりしていた頭が急速に目覚める。虎徹さんが僕の口でイッてくれたのだ、そう思うとひどく嬉しかった。
僕の目の前にはまだ、少し硬さを失った虎徹さんの陰茎がある。バーナビーは上体を起こすと、虎徹の腰に手を添えて先端を舐めた。精液の苦い味がする。虎徹さんの味だと思うと興奮した。

「……おいひぃ、こてつさんの味……」
「……おまえ、泣いてたくせに」

夢中になって舐めていると戸惑うような虎徹さんの声が頭上から降ってきて、すっと背筋が凍る。呆れられてしまっただろうか。でも彼の陰茎は僕の口の中で再び硬さを取り戻していた。ここで終わらせたくはない。バーナビーは必死に頭を巡らせた。どうすれば虎徹さんをもっとその気にさせられる?
しかしそんな心配は杞憂に終わった。バーナビーが口淫の手を止めると、虎徹は口の中から陰茎を引き抜いて目を細めて笑う。



 
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