MISS TIGER
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「ンぁ……?」

変化は唐突に訪れた。
バニーのが突っ込まれ引き抜かれ、下腹部にずくん、と熱が沸き起こる。
ああ、この感じ……いつもの、骨まで蕩けそうなこの感じ……。

「あ、れ……?虎徹さん、虎徹さんっ!」

あぁ、何だよ……、やっと気持ち良くなってもう少しでイケそうなのに。
俺はバニーの呼び掛けを無視して腰を振った。

「んぁっ、アッ……!」

声が止まらない。声が……

「ふァ……?」

それで俺は漸く気が付いた。声が、低くなっている……男の声になっている。
慌てて顎に触れてみると髭があるし、あれだけ豊満だった胸はぺったんこになっていた。
股間にも視線を向けるとさっきまではなかった俺の息子がそこにいた。
どうやら、俺の身体は男に戻ってしまったらしい。

「……男に戻ってら」
「そんな……、だって、24時間過ぎてませんよね?」

まさかセックスに夢中になっている間にそんなに時間が経過したのだろうか。
慌てて二人して腕に装着したままのPDAで時間を確認してみると、当然24時間過ぎてはいなかった。

「なら、どうして……」
「……あーもしかして……」

俺がうっかり思い付いたことを口にしてしまいそうになると、バーナビーが食いついた。

「何です?心当たりがあるんですか?」

まずい、まさかいつものセックスの方が気持ち良いとか思ったせいかも、だなんて素直には口にできない。

「いや……、男に戻りたいって思ったから、かなあ?」

虎徹が視線を泳がせつつごまかすと、バーナビーから疑いの眼差しを向けられた。
……嘘はついてないぞ、嘘は。
しかしバーナビーにはお見通しだったようで繋がったままの腰を僅かに揺らされた。

「あッ……ン!」

突然の刺激に思わず鼻に掛かったような甘い声が漏れる。

「随分と、気持ち良さそうですね?」

続いて二、三度ピストンされてまた声が上がった。もう感じているのは隠しようもない。
ピン、と勃ち上がった俺の息子をバーナビーの綺麗な指先が弾いた。

「アッ……!」
「さあ、どうしましょうか……、コレ」

繋がったままの虎徹の身体の中でバーナビーが動く。
ゴリッと弱い箇所を擦られて、俺はたまらずバニーにしがみついた。

「は……、気持ちくして、バニーちゃん……」

こういう時はつまらない意地やプライドは捨てて、素直に甘える方がいいと虎徹は経験から理解していた。
そんなふうに虎徹に操られてるとは露知らず、バーナビーは目尻を下げて虎徹の顔面にキスの雨を降らせてくる。

「かわいい、虎徹さん、かわいい……」
「……ホント?おっぱいもなくなっちゃったし、髭もあるし、どっからどう見てもオジサンなのに」
「かわいいですよ、虎徹さんは本当にかわいいです。オジサンでもオバサンでも、虎徹さんは虎徹さんですから」

……バニーちゃんの方がかわいくてたまらない、なんてことは今は言わない。
口に出さない代わりにギュウッとバニーの頬を両手で挟んで、俺は唇を押し付けた。





Fin.






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