It's a Wonderful Life
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「なんですか、それ……ンッ!」

虎徹はバーナビーの反論をキスで塞ぎ、繋がったままの腰の律動を開始した。
眉間の皴の深さとか時折洩れる呻くような声、強張る身体から、バーナビーは何も言わないが辛いのだろうということはわかっている。
それでも俺は、逃げるバニーの腰を引き寄せて奥を穿った。
情けないことに気遣ってやる余裕なんてない。
バーナビーの中はとても狭くきつかったが、充分すぎるほど潤っていたせいで勢いをつければするりと奥まで入ってしまう。
そして奥に虎徹自身の先端が当たると中がキュンと締まるのだ。
その感覚が良くて良すぎて俺は年甲斐もなく夢中になってしまった。
何度も腰を打ちつけて最初の快楽の波が少し引いてきて、そこでやっとバニーが涙を流していることに気が付いた。
一気に頭の芯が冷える。

「……バニー、ごめんな、ごめん」

虎徹が謝罪の言葉を口にするとバーナビーはふるふると頭を振り、虎徹に抱きつく腕にぎゅっと力を込めて、涙で濡れたままの顔で微笑んだ。

「いいえ……、うれしいです。……気持ちいいですか?僕の中」
「……ああ、すごく、いい。けど、あんまおじさんを煽るなって」

慣れない身体では快楽を得るのは難しいだろうけれど、バーナビーにも少しでも快感を味わわせてやりたいと思った。
バーナビーの涙で濡れた目元にキスをして、睫毛に溜まった雫を唇で受け止める。
目元、頬、鼻の先と、バーナビーの顔面にキスの雨を降らせた。

「ふふ、くすぐったい……」

視線を絡めて微笑み合い、もう何度目かわからない口づけを交わす。
舌をくちゅくちゅと絡ませながら繋がったままの腰をゆっくり揺らすと、バーナビーの身体は電気が走ったみたいにビクリと跳ねた。

「ふ、あ……、なんか、変……」
「どうした?」
「あっ……、そこ」
「んー?ここ、か…?」
「ひっあ、やぁっ……だめ、そこ、おかしい……」

虎徹に下から突き上げられると思わず声が漏れる。
どん、と衝撃が来るたびに声を上げてしまうのだ。
浴室では声が大きく響いてしまい、バーナビーは口元を自分の腕に押し付けて必死に声を殺そうとした。
それでも、どうしても殺しきれない声が時折漏れてしまう。

「ふ、……ンぁ…、あっ……ァ」

どうしよう、こんなに女みたいに甘ったるい声を上げてしまって、虎徹さんは呆れていないだろうか。
けれどどうしても声は止まらない。
虎徹に身体を揺さ振られながら、バーナビーは閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
暗闇に慣れてきた視界いっぱいに、虎徹の顔が見える。
一緒にいる時間がとても長くて、虎徹の色々な表情を見てきたけれど、それは初めて見る表情だった。
欲情した、雄の顔だ。
身体の芯が、ゾクリと震えた。

「ああ、アッ……、こてつさん、……すきっ…」
「…バニーッ、俺も……」

身体をびくびくと跳ねさせるバニーは、名前の通り本当に兎みたいだ。
白くて、どこもかしこもふわふわと柔らかくて、とても熱い。
ふわふわしたこの身体も、明日には逞しくて男らしい元のバーナビーの身体に戻っちまうけど、それでも抱かせてくれるんだろうか。
それとも逆に、俺が襲われたりするんだろうか。
明日のことはわからないけれど、今はバーナビーのこの身体に、俺のことを刻みつけておこう。
バニーが、決して今日のことを忘れることができないように。

「ひぁ、あっ、だめ、ダメ……なんかクる……」

結合部からはどちらの物かわからない体液が溢れて、グチャグチャと卑猥な音が浴室に響く。
バーナビーの身体がガクガクと震え出して、虎徹はラストスパートにかかった。
リミッターを外して、本能のまま突き上げる。
大丈夫、今度はバニーも感じてくれてる。
口を開きっぱなしのバーナビーからはもう、意味を成さない母音しか漏れない。
甘ったるさを存分に含んだ声だ。たまらなく興奮する。



 
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