It's a Wonderful Life
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一度口にしてしまうと、途端に意識した。
虎徹の指が自分の中に入っているのだと思うだけで気持ちが高ぶるのに、虎徹の指先はバーナビーの弱い所ばかりを刺激してくる。
……気持ちがいい。
身体の中心から全身に熱が拡がり、爪先までじわりと熱くなる。
どさくさに紛れて虎徹は指を三本に増やしていたけれど、バーナビーは全く気付いていなかった。
もう自力では立っていられず、力強い腕で腰を抱いてくれる虎徹に身を任せる。
蕾を弄られるのも、虎徹の指で中を掻き混ぜられるのも気持ちがいい。
バーナビーの内部はヒクヒクと波打って、時折虎徹の指をきゅうきゅうと締め上げた。

「あっ……、んンッ!」

バーナビーの中を擦る虎徹の指の動きが、段々と激しくなる。
少し痛みも感じたけれど、すぐ近くに感じる虎徹の吐息も荒くなっているのに気付いてバーナビーは胸が熱くなった。
虎徹も興奮してくれている。
そう思うともう、我慢できなかった。
バーナビーも虎徹が欲しいのだ。
虎徹の股間へとそろりと手を伸ばす。
虎徹は一瞬びくりとしたけれど、バーナビーのしたいようにさせてくれた。
手の中に柔らかく握ると、確かな熱と硬さを感じた。
他人のそれに触れるなんて、勿論初めてのことで多少の戸惑いはあったが大好きな虎徹の物だ。嫌悪感は全くなく、むしろ愛おしく感じた。
自分自身に触れる時のようにそっと前後に手を動かしてみると虎徹が大きく息を吐き出した。

「硬い、ですね……。それに、意外と大きい」
「……意外とって、失礼だな、バニー」

クスクスと互いに笑った。
軽口のようなことを口にしてしまうのは、いよいよその時が近くて照れ臭いからだ。
虎徹もそうだとわかり、少し安心する。
視線を絡ませてどちらからともなくキスをして、バーナビーの中から指が引き抜かれた。

「……きて、虎徹さん」
「っ……、バニー……ッ!」

膝の裏を掴まれて、片足を高く上げさせられる。
タイルに押し付けられて、それ程身体が柔軟でないバーナビーは足の筋が痛かったけれどそれは我慢するしかなかった。
ぐっと、熱い塊が押し付けられてバーナビーの中へと侵入してくる。
指一本だって受け入れなかったはずのそこは、痛みはともなったけれどしっかりと虎徹の熱を受け入れた。

「ふ……」

しかし苦しい、息ができない。

「バニー、息、吐いて」

虎徹に言われてバーナビーは大きく息を吐きだした。
吐きだして、胸いっぱい空気を吸い込む。
どうやら無意識のうちに息を止めてしまっていたようだ。
呼吸をして少しは楽になったが、身体の中心から裂けてしまうんじゃないかと思った。
虎徹がバーナビーの額やこめかみにキスを落としてくれたおかげでだいぶ落ち着いてきたけれど、異物感は確かに存在する。
今、僕は虎徹さんと繋がっている。
一年前に諦めようと決意して、それでも諦めきれなかったその人と。
こんな身体になる、なんてハプニングがなければこんな日は来なかったのかもしれない。
奇跡だと、思った。

「……今、僕たちは繋がってるんですね」

バーナビーが確かめるように言葉に出すと、虎徹は抜けない程度に腰を引いて、また押し付けた。
不意打ちの衝撃に、片足だけで立たされているバーナビーの膝ががくりと折れる。
バーナビーが虎徹を軽く睨むと、崩れたバーナビーの身体を支えながら虎徹は笑った。

「ああ、繋がってる。……見る?」
「……見ません」

からかい口調で言われて、バーナビーは虎徹の肩に額を押し付けた。

「……本当に、デリカシーのないおじさんですね……、雰囲気がぶち壊しだ」

毒吐くバーナビーに虎徹は今度は肩を揺らして笑う。

「くっくっ、……ようやく、いつものお前らしくなってきたな」
「……いつものって、なんですか」

バーナビーが軽く眉間にしわを寄せながら虎徹を見上げると、虎徹はバーナビーの唇にチュッとリップ音を立ててキスをした。

「可愛げがなくって、可愛い」



 
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