It's a Wonderful Life
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24


バーナビーが落ち着きを取り戻すまで、虎徹はバーナビーの背中を優しく撫で続けた。

「もう、大丈夫か?」

バーナビーの顔を覗き込むと目元を赤く染めていたが落ち着いたようだった。

「……すみません、取り乱してしまって……」
「いや、俺も悪かった。あんまり可愛いからさ、つい、いじめたくなっちゃって」

虎徹はバーナビーの頭をポンポンと撫でるとそっとバーナビーから離れた。

「シャワー浴びて、湯船につかろうぜ、体冷えちまう」

虎徹の言うとおり、バーナビーも少し肌寒さを感じていた。
交互にシャワーを浴びて、バスタブの中へ二人一緒に入った。
向かい合わせに座ろうとするバーナビーの腕を虎徹が掴む。

「そうじゃないだろ、こっちにおいで」

導かれるまま、バーナビーは虎徹の足の間に入り背中から抱き竦められる格好になった。
仕方がないことだけど、この体勢だとちょうどバーナビーのお尻のあたりに虎徹の股間が触れてしまい、どうにも落ち着かない。

「あの、やっぱり……」
「いいから」

虎徹の腕から抜け出そうとしても、狭いバスタブの中では逃げ場がなかった。
後ろから抱かれたまま、おなかの辺りに回されていた虎徹の手がゆっくりと動き出し、バーナビーは落ち着きなく視線をさまよわせた。
自分が望んだこととはいえ、想像以上に恥ずかしい。

「バニーちゃん、おっぱい大きいね」

両手で下から胸を持ち上げられて、緩い力で揉まれる。
虎徹の手のひらに乳首が擦れて、そこから全身に電気が走ったような痺れが走った。

「ん・・・・・・ッ、明日には、平らに戻ってしまうから、今日だけ、ですよ…」
「ははっ、そうだな。じゃあ、いっぱい触っとこうかな」

胸を揉みながら、耳元で喋らないでほしい。
虎徹の心地よい低い声が、吐息が耳元にかかるたびに背筋がぞわりとしてしまう。
気付いていて、わざとやっているんだろうか。
乳首を指の間に挟まれて胸を揉まれると、敏感な先端にばかり意識が向かってしまう。
そこを時折、力を込めて挟まれるとたまらない。
きゅっとやられて、バーナビーは思わず首をすくめた。

「やっ…、もう……」
「……きもちい?バニーちゃん」

また吐息が耳にかかった。
わざとだ、絶対にわざとやっている…!

「気持ちいい、です……」
「よかった」

片手で胸を揉みながら、もう片方の手は鎖骨から首筋へと滑っていく。
虎徹の指先が肌を滑るたび、バーナビーの身体は小さく震えた。
セックスの経験がないわけじゃない。
男と、なんてのは今日が初めてだけれど、女性とのセックスでだって体に触れられることはあった。
でも、こんなふうに身体に触れられて、こんなに身体が震えてしまうのは初めてのことでバーナビーは困惑した。
僕の身体が女になったからだろうか。
それとも……相手が虎徹さんだからだろうか。

「こんなときに考え事?」

虎徹の手が頬に伸びてきて、顔の向きを変えられた。
虎徹と視線が絡まり、顔を寄せられて、キスをされる気配に瞼を下ろす。
唇が重なって、バーナビーが薄く唇を開けば誘われるままに虎徹が舌を伸ばす。
互いに舌を伸ばして絡め合いながら、耳元を指先でくすぐられた。
また、ぞわりとする。
同時に胸も柔らかく揉まれて、虎徹の舌先が上顎をくすぐって、バーナビーは虎徹の舌を緩く押し返して薄く瞼を開いた。

「……とけそう」

バーナビーの言葉に、虎徹は嬉しそうに笑った。

「ああ、気持ちいいな……。べろちゅーすんの、すげえ久しぶり」

再び唇を重ねようとしてきた虎徹を、バーナビーは遮った。

「あの、久しぶりって……」

どのくらい久しぶりなんですか?
まさか、奥さんとしたのが最後、だなんてそんなはずはないだろうし、虎徹さんの女性遍歴なんて聞きたくはないけれど。

やっぱり、いいです。なんでもありません……。

バーナビーがそう口にするより前に、虎徹が口を開いた。

「友恵と、奥さんとしたのが最後。……俺って一途だろー?」



 
[戻る]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -