Ju te veux
額に、頬に、顎に、キスされて。
顔を向けキスをねだると、唇へとキスされた。
そんな優しいキスをされたら、僕を好きだというあなたの言葉を、信じてしまいそうになる。
先程のキスとは違い、唇を重ねてゆっくりと互いの舌を寄り添わせる穏やかなキスが心地好い。
バーナビーがキスに酔っていると、虎徹の手の平が胸板へと触れた。
胸板を撫でられる擽ったさに身をよじると、不意に突起を摘まれて、虎徹の唇に塞がれたままの口からくぐもった声が漏れる。
「んぅっ……」
指先で擦り潰すように弄られて、ツンと硬くなったそこは過敏になり、指の腹でそっと撫でられるだけでも気持ちがいい。
けれど、それだけじゃ足りない。
キスを止めてしまうのは名残惜しいけれど、唇で触れて欲しい。
キスに夢中になっていた僕は、無意識におじさんの首に両腕を回していたらしい。
その腕を解き、舌先でおじさんの舌を押し返すとようやく唇が離れた。
「どうした?」
あなたが僕を見つめてくる眼差しが優しくて、僕はまた、信じてしまいたくなる。
バーナビーは黙って、虎徹の後頭部を抱き胸元へと誘導した。
虎徹の唇が胸板へと触れる。
バーナビーが視線を向けると、虎徹は視線を絡めて口角を上げた。見せ付けるように舌を出し、平らな胸板を舐め上げる。
ぺろぺろと、犬のように舐めてきて擽ったい。
わざと、突起を避けて舌を這わせてくる。
「……意地悪、なんですね。いつもの、仕返しですか?」
あまり焦らされるのは堪えられない。
まだ肝心の場所には何処にも触れられていないのに、バーナビーのペニスは張り詰めて、だらだらと涎を垂らしている。
僕は腰を浮かせておじさんの身体にそれを押し付けた。
虎徹の顔が意地悪く歪む。
「どうして欲しいの?バニーちゃん」
「触って、ください……」
更に、ぐいぐいと押し付けると虎徹は笑って、バーナビーの乳首に歯を立てた。
「まぁだ、だめ」
「ひぁン…!」
胸元から股間へと、びりりと刺激が伝わって、また先走りが溢れたのが自分でもわかった。
ねだっても触ってくれそうにないので、自分で触れようと手を伸ばすと、そんな考えは見透かされていたようで指先を絡め取られる。
「しょうがないな、バニーちゃんは」
指先にキスされて、手をおじさんの背中へ回すように誘導された。
指先にキス、なんて、そんなことをされたらいつもの僕ならば悪態を吐くはずなのに、今日の僕はどうかしている。
その行為が、嬉しくて恥ずかしくて、たまらない。
理由は分かっている。
相手が、あなただからだ。
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