MISS BUNNY
虎兎/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14



バーナビーの中に納まっている虎徹自身は硬さを保ったままで、虎徹が悪戯に腰を揺らすとバーナビーの中を掠める度に身体が震える。
いったばかりの身体に刺激を与えられるのは苦しくて、バーナビーは虎徹の身体に絡めた脚に力を込めて虎徹の身体の自由を奪った。

「ちょっと、待って……」

乱れた呼吸もまだ整わず、バーナビーは途切れ途切れの声で虎徹に休憩を訴えた。

「そんなにしたら、動けねーよ、バニー」
「……動けないように、してるんです」

この数日の性交で虎徹に慣れたバーナビーの体内は程よい締め付けで、バーナビーに遮られたからといって、虎徹もじっとしてはいられない。
何とか状況を打開する策はないものかと思案していると、虎徹の脳裏に妙案が閃いた。

「……?何を企んでいるんです?」

どうやら顔に出ていたらしい、虎徹はへらりと表情を緩めて束ねたままのバーナビーの腕に触れた。

「バニー、俺の首に腕かけて」
「はい?」

虎徹が促すと首を傾げながらもバーナビーは虎徹の言葉に従った。
身体に巻き付けられたバーナビーの脚は、太股の内側をつ…と指先で撫でれば簡単に力が抜けた。
その脚を掴んでバーナビーの拘束から逃れると、両膝の裏に腕を入れて虎徹の企みの準備は整った。

「しっかり捕まってろよ、バニー」
「えっ……」

次の瞬間、バーナビーの身体がふわりと宙に浮いた。
支えはバーナビーの腕と、虎徹の腕と、そして二人繋がっている部分のみだった。

「あっ……、やだ、無理ですって…」
「大丈夫、しがみついとけ」

無理と言いながらも、バーナビーの中は虎徹が抜けるのを拒むようにきつく締め付けて離さない。
中で果ててしまいそうになるのを奥歯を噛み締めて堪え、バーナビーを持ち上げたまま虎徹は窓際の壁へと向かった。
壁にバーナビーの背を押し付けてしまうと支える重みが軽減されて、互いに少しゆとりが生まれた。
どちらともなく大きく息を吐き出して、視線が合いくすりと笑った。

「おじさんのくせに、無理なんかして。知りませんよ、腰を痛めても」
「一度してみたかったんだよ、今しかできないだろ」
「そうですね……」

バーナビーが元に戻ってしまっては、男同士でこんな力技なプレイはできない。

「動く、ぞ……」

バーナビーの返事を待たずに虎徹が律動を開始する。
激しい動きはできなくて緩やかな抜き差しを繰り返すだけの行為でも、不安定な姿勢に快感が増長されてバーナビーはすぐに甘い声を上げ始めた。
それと連動して、バーナビーの中も虎徹自身を搾るように収縮を繰り返す。
虎徹が射精したのは、つま先をぴんと張りながらバーナビーが達したのとほぼ同時だった。



行為を終えて、中に出してしまった虎徹の残滓を洗い流すために一緒にシャワーを浴びた。
当然、シャワーを浴びるだけでは終わらずもう一回戦交えて、シャワーを終えてベッドにたどり着いた頃には二人とも言葉少なになる程に疲労はピークに達していた。
二人並んでベッドに沈み、虎徹がさりげなく差し出した手をバーナビーが握る。
互いに一言も発さず、暫く沈黙の時が流れた。
あまりに静かなので、もう眠ってしまったのかとバーナビーが思った時、虎徹は口を開いた。

「なあバニー、もうそろそろ元に戻ってもいいんじゃないか」

バーナビは返事をせず、虎徹の次の言葉を待った。

「俺さ、お前とコンビ組んで一緒にヒーローやってなかったら、お前のこと好きになってなかったと思うよ。お前と一緒に、ヒーローやんの楽しいんだ」

虎徹はバーナビーの手を強く握り返した。

「もう寝てるかな、バニー……おやすみ」

バーナビーの瞳から一筋、涙が流れた。



 
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