MISS BUNNY
虎兎/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14



今日の虎徹はとても優しい。

バーナビーがアクシデントに見舞われたせいかもしれないし、それも虎徹を庇ってのことだから口には出さないが虎徹なりに申し訳なく思っているのかもしれない。
しかし、それにしても優しいと、バーナビーは思った。
それから、今日はやたらと胸に触られる。
いつものバーナビーにはない膨らみが物珍しいのか、それとも元々ノンケな虎徹は、やはり女性の身体のほうが好きなんだろうか。
一人になり思考を巡らせていたが、虎徹が部屋に戻ってくる気配に目を閉じた。
寝息を立て寝たふりを決め込む。

「寝ちまったか…」

虎徹はバーナビーの前髪を指先で避け額にキスをすると、起こさないよう気遣いながら身体を拭いていった。
脚を開かれる時は少し身体に力が入ってしまった。
けれど起きているのを悟られないよう寝たふりを貫く。

「ホント、疲れてたんだな」

いつものバーナビーなら事後は必ずシャワーを浴びたがる。どんなに怠くても、眠くても、だ。
なのに今日は、シャワーを浴びる気になれなかった。
虎徹に中に出された物を洗い流すのが勿体ないとすら思った。
そんな自分に戸惑いながらもやはり疲れていたのだろう、虎徹に身体を拭かれ、隣に横になった虎徹に腕枕をされているうち、バーナビーは本当に眠りに落ちた。





翌朝目が覚めると、まだ虎徹の腕の中にいた。
時間を確かめ、起きなくてもいい時間だと把握すると、眠ったままの虎徹を起こさないように起き上がった。
バスルームに向かいシャワーを浴びる。
バーナビーの身体はまだ、元に戻っていなかった。
あのNEXTに女性の身体にされてから、まだ24時間経っていない。
あと数時間はこのままだろう。
シャワーを浴びていると胸元に赤い痣を見付けた。昨夜虎徹が付けたのだろう。
それが嬉しく感じて、バーナビーはまた戸惑った。
いつものバーナビーならば、痣なんて残されれば激怒し足蹴にするところだ。
昨日からどうにも調子が狂う。


シャワーを済ませると、服を物色しに向かった。しかし当然、男物しかない。
なるべくタイトな服を選んでみたがやはり男物の服は大きく、胸の谷間が気になった。
仕方なくいつものジャケットを羽織る。


虎徹が起きる前にコーヒーでも煎れようかとキッチンに向かうと、そこには虎徹の姿があった。
どうやら朝食の準備をしてくれているらしい。コーヒーのいい香りがする。
バーナビーの気配に気付いたのか、コンロに向かっていた虎徹が振り返った。

「よぅ、オハヨー」

いつもと変わらない虎徹の笑顔。
しかし、バーナビーは昨夜のことを思い出しまともに虎徹の顔が見れなかった。

「……おはよう、ございます」

視線を合わせられぬまま、挨拶を交わした。
虎徹は特に気にしなかったようで、再びバーナビーに背を向ける。
バーナビーは内心ホッとした。頬が熱い自覚があったからだ。

「もーちょいでできるから、リビングで待ってろよ」
「はい」

虎徹の言葉に甘え、コーヒーを手にリビングへと向かった。
テレビを付け、毎朝見る情報番組へとチャンネルを合わせる。
椅子に腰掛け画面を眺めていると、虎徹が朝食を運んできた。

「お待たせ〜。つっても、トーストと目玉焼きだけだけど」
「ありがとうございます、チャーハン以外も作れるんですね」

バーナビーは虎徹に向かって微笑んだ。
僕はいつものように振る舞えているだろうか?



 
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