MISS BUNNY
虎兎/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14



「なぁ、バニーちゃん」
「それ以上近付かないでください」
「いや、だってほら、心配だし」
「股間膨らませといて何が心配、ですか。それ以上近付いたら蹴り飛ばしますよ」

バーナビーの口からは可愛くない台詞ばかりが飛び出すが、その声はいつもと違いトーンが高い。
シャワーを浴びてバスローブを身につけたバーナビーの、すらりと伸びる脚はいつもより細く、すね毛もほとんど見当たらない。
胸元はしっかりと前を閉めている上、腕で隠しているので見えないが、ふっくらとした膨らみがあるに違いない。
虎徹の喉が、ゴクリと鳴った。



今日虎徹たちヒーローが追っていた犯罪者は、自分だけでなく、相手の性別も操作できる能力を持つNEXTだった。
虎徹とバーナビーが犯人を追っている時、虎徹を庇ってバーナビーが犯人からの攻撃を受けた。
体型に合わせて作られているヒーロースーツは、バーナビーが女性の身体に変えられ普段より小柄になってしまった為サイズが合わなくなってしまった。
身動きが取れなくなったバーナビーのことは虎徹が抱き上げキューティエスケープし、犯人はドラゴンキッドやスカイハイらの活躍で無事捕まえることができた。
しかし問題なのはその後だった。
女性化してしまったバーナビーが元に戻るには24時間かかるらしく、能力者本人にも解除できず時間が経つのを待つしかないらしい。
一人で帰れる、というバーナビーをほって置けず、虎徹はバーナビーの家までついてきたわけだが……ついてきたのは勿論心配だったからだが、下心がないと言えば嘘になる。
第一、バーナビーの方もその気がないわけではないはずだ。
その気がないのなら部屋に上げてくれないだろうし、シャワーを浴びる前に虎徹を追い返しているだろう。
しかし、バーナビーには悪いが攻撃を受けたのが彼で良かった。自分やキースやアントニオが女性化させられていたら、と思うと想像することすら恐ろしい。



「バニー」
「聞こえないんですか?近付くなって、言ってるじゃないですか」

バーナビーの言葉は無視して、虎徹はバーナビーに近付くと肩に手を置いた。口先では反抗的だったバーナビーだが、虎徹の手を払うことはしない。
反抗的な態度は照れ隠しなのだろうと虎徹は踏んでいた。
普段はあまり身長差のない二人だが、今日はバーナビーのつむじが見える程に差がある。虎徹は背を屈めバーナビーの耳元に囁いた。

「なぁ、裸見たんだろ?自分の身体とはいえ、女の裸ナマで見たの初めてだろ、どーだった?」

バーナビーの顔にさっと紅が差した。

バーナビーは童貞だ。そう本人が言っていたし、男とヤッたのも俺が初めてらしい。
となれば、女の裸をまともに見たのは今日が初めてに違いない。

「……どーだったって、だって、自分の身体ですよ?何とも言えませんよ」

耳まで赤くなってるバーナビーに抱き着くと虎徹は甘えた声を出した。

「いいなあー、俺もバニーちゃんの裸、見たいなあ」
「何言ってるんですか。絶対、見るだけじゃ済まないくせに」

虎徹は身体をずらすとバスローブ越しにバーナビーの胸元へと顔を埋めた。思っていた通り、胸元はふっくらと柔らかく、かなりボリュームがありそうだ。虎徹は胸元に顔を埋めたままバーナビーを見上げた。

「だめ?優しくするからさ」

効果があるかはわからないが、バージンの女の子に使うような台詞を口にしてみた。
バーナビーの目許が綻び、その手が虎徹の頭を撫でる。どうやら効果はあったらしい。

「……最初からそのつもりで、家に来たんでしょう?」




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