Spilt milk
バーナビーはシーツに付いた腕の中へと顔を埋め虎徹を待った。
中から指を抜かれ、待ち望んでいた瞬間が来るかと思ったが、その気配がない。
「虎徹さん?」
バーナビーは不安になり虎徹の名を呼んだ。
「バニー」
虎徹の穏やかな声がすぐ背後から聞こえほっとした。
腰を掴まれ、引き寄せられると尻の間にしっかりと硬さを保った虎徹自身が触れる。
「えっちなバニーちゃんは好きだけど、あんま無理すんな。お前、今顔真っ赤だろ」
びくり、とバーナビーの背が震える。
「やっぱ図星かあ、身体はえっちなくせに、お前のそういう慣れないとこ、かわいいな」
「……誰のせいで、こうなったと思ってるんですか。責任取って下さいよ」
顔を上げないままのバーナビーの反論に、虎徹は小さく声を漏らし笑った。両手で尻肉を掴み左右に拡げながら自身の先端を押し付けてゆっくりと腰を進める。
久し振りのセックスで、バーナビーの中は狭かったがローションのぬめりが手助けして中へと飲まれていく。
「人のせいにするなよ、バニー。お前がエロいから、俺を夢中にさせるんだ」
「んン……ッ!」
バーナビーの口から抑え切れなかった声が漏れる。
奥までじわじわと押し入り根本まで納めると目の前の白い背中に手を伸ばし背骨を辿った。時折、バーナビーの背中がびくりと跳ねる。
「背中、弱いよな、バニー」
「んぁっ、触らないで…」
虎徹は身体を倒しバーナビーに寄り添うと首筋を舐め上げた。びくびくと面白いくらい身体が震える。
「あァ、ン……もう」
しかし同時にバーナビーの内側もきゅうきゅうと締まり虎徹を締め上げた。
「……悪ィ、俺も余裕ないわ」
悪戯は止め、身体を起こすとバーナビーの腰を両手で掴みぐいぐいと腰を押し付けた。
声を殺しているバーナビーからは呻くような声しか漏れないが、それでもびくつく身体や締め付ける内側から、バーナビーが感じていることは伝わった。
腰から尻へと手をずらし、尻肉を揉みながら腰を緩く前後に揺らす。尻を左右に割り開き出入りしてる部分へ視線を向けると、溢れ出したローションで濡れて光っていてなんとも卑猥だ。バーナビーの中で、虎徹のモノが硬さを増した。
「バニーのここ、ヌルヌルで女の子みたい」
二人繋がる部分を指先でなぞるとキュウッと収縮した。
「ッ、……もう、そういうこと言わないで下さい」
「ハハッ、かわいいな、ほんと」
もっとバーナビーのことを虐めたかったが虎徹も限界が近く、それはバーナビーも同じようだった。先程から内壁が波打つように震え、時折身体をビクビクと震わせる。
虎徹はバーナビーの性器に触れた。まだ射精はしていないようだが、もしかしたら軽くイッたのかもしれない。
緩く握り、先端を親指の腹で撫でるとひどく濡れていた。
「前も後ろも、グショグショだな」
「……だから、いちいち言わないで…」
「かわいいから、虐めたくなるんだよ」
指で輪を作り、後ろから前へと垂れ流れたローションのぬめりも借りてバーナビーのモノを扱きつつ、片手でバーナビーの腰を掴んで前後に揺らす。
切れ切れにバーナビーから声が漏れ、バーナビーの腰も自ら揺れていた。
「あぁっ、もう……」
「わかってる、なあ、ミルク欲しいって言ってたけど」
「……ゴム、着けてないでしょう……中は嫌、です」
「ん、努力するわ」
「努力って……ゃ、あ、だめ……イク…!」
虎徹の手が温かいモノに濡れ、バーナビーの中が急にキツく締まった。
ガクガクと震えるバーナビーの身体から慌てて自身を引き抜くと間一髪、バーナビーの白い背中へと精液が散った。
「あーっ、気持ちよかった」
事後処理を終え、ベッドに横になっているバーナビーの背後へと添い寝してきた虎徹が、バーナビーの腰へ腕を回すとぴしゃりとその手を叩かれた。
「ほんっとに、デリカシーのかけらもないですね」
呆れたように溜息までつかれたが虎徹はめげない。気にせず、再度腕を回し今度はバーナビーも黙って受け入れた。
「バニーちゃんも気持ちよかっただろー?」
「ええ、まあ。よかったですけど」
「こうやって、間あけてすんのもいいかもしんねぇな、バニーちゃん目茶苦茶感じてたし」
「そんなにほっとかれたら浮気しますよ」
「え」
一瞬、虎徹の身体が固まった。
「冗談です」
「なんだ、びっくりしたあ」
心底ほっとしたような虎徹の様子に思わず笑みが零れた。背後にいる虎徹には見えていないだろうが。
「好きな人とのセックスを覚えたら、どうでもいい相手となんてする気になりませんよ」「え、それって」
「おやすみなさい、虎徹さん」
「なあ、今好きな人って言ったよな?」
「もう忘れました」
「なあバニー」
虎徹のことは構わずバーナビーは瞳を閉じた。
その表情は穏やかに微笑んでいた。
fin.
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