Milk
※14話ネタ
明日は久々に二人揃ってのオフだ。
去年まではバーナビー単体での仕事の方が多かったが、昨年度の最終ランクはバーナビーがぶっちぎりの一位、虎徹のランクも四位へと上がりコンビでの仕事も、虎徹単体での仕事も増えてきた。
互いに忙しくなり、仕事では一緒のことが多かったがプライベートで一緒に過ごせる時間は減ってしまった。
互いの気持ちを確認し、身体の関係も持つようになったが、互いの部屋に泊まり一晩を一緒に過ごすことになっても、疲労に抗えず寝てしまったり、互いの身体を思いやり添い寝するだけのことも多かった。
今夜も、バーナビーが虎徹の部屋へと泊まりに来ていたが、虎徹は一週間程前にもオフがあったがバーナビーは二週間ぶりのオフのはずだ。
遅めの夕食を少量のアルコールと共に取り、交代にシャワーも済ませたが、虎徹はバーナビーの身体を気遣い、一緒に眠るだけのつもりでいた。
「おやすみ、バーナビー」
優しく触れるだけのキスを交わし、虎徹はバーナビーの首の下へと腕を差し入れ、後ろから抱き締める形で横になった。
バーナビーの首筋から香る、仄かに甘いいい匂いに軽く欲情を覚えながらも虎徹は瞼を閉じた。
だが暫くして、バーナビーに呼び掛けられ薄く瞼を開いた。
「虎徹さん」
「んー?なぁに、バニーちゃん」
抱き締める腕に少し力を込め、後頭部に口づけた。
「僕、あまり眠くないんです」
「無理すんな、ずっと休みなかっただろ」
バーナビーからの遠回しな誘い文句だとわかったが、虎徹はそのまま眠ろうとした。
以前、バーナビーが疲れているのはわかっていたのに我慢できず求めてしまったことがある。
その翌日の勤務中、バーナビーは貧血で倒れてしまったのだ。
いくらバーナビーがまだ若く、身体も鍛えていて丈夫だとしても無理をさせてはいけないと虎徹は考えていた。
「虎徹さん」
「いーから寝ろって。明日は一日一緒に過ごせるんだし」
寝ようとしないバーナビーをたしなめるため、虎徹は上体を少し起こしバーナビーの唇を塞いだ。
舌を差し入れ掻き回し、名残惜しいが身体に火が着かない程度の所で切り上げる。
バーナビーと視線を合わせて微笑むと、バーナビーが身体の向きを虎徹の方へと変え、自ら虎徹の首へと腕を回し抱き着いてきた。
「おいおい、どーした、バニー」
以前と比べて大分態度が柔らかくなってきたとはいえ、バーナビーの方から虎徹に甘えるような仕種を見せることは珍しい。
バーナビーの行動に少し驚きながらも嬉しく、虎徹は目尻を下げた。
「虎徹さん」
バーナビーの声は柔らかく耳に心地が良い。
耳元に唇を寄せられ吐息がかかり、少しくすぐったくはあるが虎徹は目尻を下げたまま返事をした。
「うんうん、なあに?バニーちゃん」
「眠れないんです」
「ンなこたーない、眠れるまで抱き締めててやるから」
「虎徹さん」
「バニー……ッ!」
虎徹はバーナビーをたしなめようとしたが、言葉を口にする前にバーナビーに股間をやんわりと握られ身体を硬直させた。
先程から眠るようにとバーナビーを説得しようとしていたが、久々のバーナビーの匂いに虎徹の雄はすっかり反応していた。
バーナビーに当たらないように気をつけてはいたが、気付かれていたかと虎徹は下唇を噛んだ。
バーナビーは手の中で虎徹の雄を緩く揉みながら虎徹の耳元へと再び唇を寄せ、バーナビーより浅黒い肌色をしたその耳にキスをして情欲に熱くなった吐息混じりに囁いた。
「虎徹さんのミルクを飲んだら、よく眠れるかもしれません」
次回予告に踊らされて書きました