The breath exactly.
※第一期の頃のツンバニでお届けします
「……どうかしたんですか」
今朝目覚めてから俺は、バニーのことが気になって仕方がなかった。
出社してからも、気付くと視線で姿を追っていた。
本人には気付かれていないつもりだったが、どうやら気付かれていたらしい。
「あー、いや、……何でもねぇよ」
俺が言葉を濁すとバニーの目付きが悪くなった。
「人のことをジロジロと見ておいて、言いたいことがあるなら言ってもらえませんか」
「いや、……バニー、お前、男だよな?」
「は?」
今の『は?』は全身全霊で人を馬鹿にする『は?』だった。
「いやー、わかってる、わかってるって!」
俺はもう話を切り上げようと思った。
しかしバニーは空気を読んでくれない。
こーゆーときに限って話を掘り下げようとしてくる。
「ほんと、一体どうしたんですか」
「だからー、何でもないって」
詰め寄ってきたバニーの肩を押し、どうどうと宥めて椅子に座らせる。
だって、言えるわけがない。
昨夜俺の夢に出てきたバニーちゃんが女の子になってて、俺に跨がってきてエッチして、その夢のせいで俺がいい年して夢精したなんて絶対、言えない。
「ほらっ、バニーちゃん、睫毛長いし綺麗な顔してるしさあ」
俺は適当にごまかすことにした。
「……もしかして、そっちの気があるんですか、おじさん」
バニーの氷のような視線が痛い。
痛い……、けど、なんかこれってクセになりそうな。
「アアッ、バニー、そんな目で見ないでくれ。おじさんゾクゾクしちゃうからっ!」
オーバーアクション気味に訴えると、バニーは盛大な溜息をついて立ち上がった。
「その上、マゾヒストですか。やはり貴方のような方とは組めません。ロイズさんの所に行って伝えてきます」
どうにか話の矛先を反らすことができたようだが、今度は別の問題が浮上した。
クビになるのは困る。
「待ってくれ、バニー!」
俺はバニーを追いかけた。腕を掴むとバニーが振り返る。
「僕はバニーじゃない、バーナビーです!」
「あ、それ、いつ言うのかなあってずっと思ってた」
夢で見た女優さんを好きになっちゃう方、と聞いて妄想したのがこんなネタ。夢で見たバニーを好きになっちゃえばいいよ!