I want to enter when poriferous.
虎兎




「……しつこい」
「ふぇ?」

頭上から降ってきたバニーの声に俺は顔を上げた。
今俺たちは、バニーの部屋のベッドの上でメイクラブに勤しんでいる最中だ。
しかしバニーの眉間には深い縦皺がしっかりと刻まれている。

「ちょ、おま……、しつこいってなんだよ」

ついさっきまで、あんあんと甘くかわいい声を上げていたのに、とんだ豹変ぶりだった。

「もう抜いてもらえませんか、おじさん」

バニーがイッた後も、抜かずにそのまま続けて致すのが俺は好きだった。
イッた後のバニーは通常なんかよりずっと敏感になっていて、少し揺さ振るだけで面白いくらいに身体が跳ねる。
そんなバニーがとても可愛くて、バニーは苦しそうだったが俺はついつい虐めたくなるのだ。

「……はいはい、抜きます、抜きますよう」

虐め過ぎたのだろうか、不機嫌そうなバニーに仕方なく俺は愚息を抜き去った。
しかしまだ達していない俺の息子は元気だった。
どうしようかと持て余していると、横からバニーの手が伸びてくる。

「おじさんのくせに、元気ですね」

そんな皮肉を口にしながらも、バニーの綺麗な指先が俺の息子からゴムを外した。
そのまま顔を寄せてきて、どうやら口でしてくれるらしい。
バニーのこういう所が、俺は好きだ。
律儀というか、何というか。
優しいというか、俺って愛されてんだな、と思う。
バニーのお口でイかされて、口の中に出してしまった物もゴクリと喉が動いて飲み込まれた。

「ありがと、な。」

ティッシュ箱を差し出しながら礼を言うと、バニーはティッシュを二枚取り出して口元を拭った。

「いえ」
「けど、しつこいってなんだよ。そんなにヤだった?」

口でしてくれたのは気持ちかったし、俺の息子もスッキリしたし感謝している。
でも、先程の言葉は正直傷付いた。
はぁ、とバニーの口から溜息が漏れる。

「何だよ、言いたいことがあるなら言えって」
「だから、ねちねちと、しつこいと思ったんです」
「ハァ?」
「……レコーディングの時も思ったんですけど、なんか、おじさんって暑苦しいんですよね」
「な……、てゆーか何で今その話持ち出すんだよ」

レコーディングとは、あれだ。
会社命令で俺とバニーでCDを出すとかで無理矢理歌わされたやつのことだ。

「知ってますか、あのCD今週発売なんですよ」
「へー、そりゃ知らなかった」
「改めて聴いて思ったんですけど、おじさんの曲。あれ何ですか?長渕剛でも意識してるんですか?ハーモニカまで吹いて…恥ずかしい」
「ハァ?そりゃ長渕は好きだけど!つかお前こそ何だよ」
「何ですか」
こうなれば売り言葉に買い言葉だった。
「デステニーとか、ジャスティスとか、恥ずかしい言葉ばっか並べやがって」
「作詞したのは僕じゃありません。てゆーか、何で覚えてるんですか、そんなこと」
「恥ずかしいって思ったからだよ!」
「恥ずかしいのはどっちですか、おじさんの方が恥ずかしいじゃないですか」

互いに一歩も譲らなかった。
メイクラブしていたはずのベッドの上で、睨み合いがしばらく続いたが、先に行動を起こしたのは虎徹だった。

「帰る!」
「はいはい、どうぞお帰り下さい」

ヒラヒラと手を振られて、虎徹はベッドを降りた。
脱ぎ散らかした服を身につけ、バーナビーの部屋を後にする。
正直、そんなに怒っていたわけでもないのだが、互いに頑固で譲らない所がある。
こんな小さな喧嘩はじゃれ合いのような物で、もうすっかり慣れていた。
明日になれば何事もなかったように職場で顔を合わせ、普通に会話するんだろう。

車に戻りエンジンを掛け、ブロンズステージの我が家へと走り出した。
ラジオを聴き流していると、耳に飛び込んできた音声に俺は思わずハンドル操作を誤りそうになった。

『さて今週のウィークリーチャート、第一位は〜……正義の声が聴こえるかい?タイガー&バーナビー!』

慌てて車を路肩へと停車させる。続けて流れてきた音楽を聴くに堪えなくて、俺はラジオを止めた。

「……マジかよ、一位って」

いつも被っているハンチングを深く被り直した。
恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい、マジで。








キャラソンを聴いて、うわっ、恥ずかしい///と思って書いたネタ。この時はアニメでバニーがデレまくってたからツンバニが嬉しかったなあ



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