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ジョニィとジャイロ


「ジョニィは#name2#のこと嫌いなのかな…。」
「はァ?」



ある晩のことだ。いつものように3人で火を囲んで簡単な夕飯を済ませ、少しばかりお喋りをして、それから明日に向けて寝る。特に代わり映えもしない一日だったが、見張りをしていた俺の元に#name2#が眠れないと言いながら起きて来た。小さくなる焚き火に視線を向けたまま、名前は膝を抱えて冒頭の台詞を吐き出した。



「だって、ジャイロとは凄く仲良いけど、#name2#への態度が冷たい気がする。今日も心なしか余所余所しかった。」
「余所余所しいって……。俺には同じように見えたけどなァ。」
「よく見ると違うよ!#name2#、なにかジョニィの気に障ることしたかな……。」



ジョニィの態度が余所余所しいなんてことはありえない。なにせジョニィは暇さえあれば名前のことを見ているし、名前の話しかしないし、最終的には俺を邪魔者扱いする始末だ。誰がどう見たって嫌いになるだなんてありえない。ただ、ジョニィの奴は素直じゃあない。目で追ったり、からかいはするものの、素直に愛情を示す事が出来ないだけだ。ついこの間までは女関係に百戦錬磨だったくせに、いざ好きな子になると尻込みをするあたり、呆れる反面、ジョニィらしいとも思ってしまう。焚き火に背を向けて眠るジョニィが聞いたら、あたふた慌てふためきそうな話だが、寝入っている奴には関係のない話でもある。膝を抱えた名前は大きく溜め息を吐いた。



「別におたくは嫌われてなんかねェって。気にし過ぎってェもんだ。」
「そうかなぁ?」



心配そうに眉を下げて俺を見る名前は自覚がないのだろうかと呆れる。よく見ると違うと自分で言えるくらい、小さな変化が分かる程に名前がジョニィをよく見ているということだ。第三者から見てみれば、こんなにも二人はお互い惹かれているのに当人達は盲目過ぎてちゃんとお互いが見えていない。振り回されるこっちの身にもなって欲しいと思いながら、急かす必要もなければ無駄に口や手を出して手助けをするつもりもない。これはこれで楽しいっちゃ楽しい。



「ジャイロ、なに笑ってるの?#name2#は真剣なんだからね!」
「あーあー、はいはい。よォく聞いてますよっと。」



まるで小さな子供のような恋路に百戦錬磨の男はどう立ち向かうのだろうか。にやける顔を抑えもせずにいれば、怒鳴られてしまうがそれも最早慣れたものだ。今日はどうなるのだろうと思いを馳せながら、名前の言葉に耳を傾ける。眠るジョニィに視線を向ければ、更に面白いことになりそうだと俺は笑いを堪え切れずにいたのだった。



(おたくら最高だな!)
(ちょっと、ちゃんと話聞いてる!?)
(あれ?もしかして名前って僕に脈あり?)


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