sbms | ナノ
クダリと!3

バタバタとリビングに駆け込むと、昨日出しっぱなしにしていた私の勉強道具だとかクダリのコートが散乱していた。普段から凄く綺麗という訳ではないが、意外と整理されている部屋を思い返して一先ず道具を片付けることにした。私が片付けをしていると、控え目にリビングのドアが開いて、ひょっこりクダリが顔を覗かせていた。



「名前ー…。」
「嫌だよ。一人でシてきて。」
「名前がいるのにオナニーとかヤダ!」
「朝からオナニーとか言うな!」
「名前もね。」



反射的に返したのだから私の場合は不可抗力である。クダリと一定の距離を空けつつ、クダリにコートと鞄を投げた。



「酷い!暴力!DV!」
「違います!クダリの荷物でしょ!片付けなさい!ついでに部屋帰って一人でシてきて。私お風呂入るから。」



昨日気付いたら寝ていてお風呂にすら入っていなかった。私がお風呂入ってる間にクダリがシて、んで、私が上がったらクダリがお風呂に入る。完璧だ!
クダリにそう提案したら、何か思い付いたかのような楽しそうな顔をしている。あ、嫌な予感。



「お風呂でシよう!」
「だが断る!」
「えー!名前我が儘!」
「どっちがだ!」



可愛らしく頬をぷくっと膨らませても駄目だ。というか可愛い顔して言ってることえげつないからな、こいつ。はぁ、と溜め息を零し私はクダリを見詰めた。



「クダリは私の体目当て?」
「そんな訳ない!」
「なら久しぶりの休みくらい出掛けたりとか一緒にごろごろしたりとか、それでいいじゃん。」
「名前…。」
「男の人と女の人じゃ性欲に違いがあるのは分かってるつもりだけど、少し、不安になるよ。」



俯いてフローリングを見る。暫くするとクダリの爪先が見えて顔をあげた。ポンと両肩に手を置かれ何だろうと首を傾げた。なんせクダリも顔を俯かせているから、何を考えているのか分からないのだ。まぁ、顔見てもずっとニコニコしてて分かりにくいのだけれど。



「名前…。」
「クダリ…。」



「それ、この前も聞いたよ。」



俵担ぎ再びである。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -