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クダリと!2

目を覚ますと朝だった。暖かいベッドに暖かいクダリの体温。二度寝しそうになったが、隣から視線を感じてチラリと視線を送っているであろう張本人に目を遣った。



「おはよう。」
「おはよう。いつから起きてたの?」
「んー、分かんない。」



いつも思うけどクダリは睡眠時間が少ない。仕事をして疲れて帰ってくる筈なのに私より遅く寝て、私より早く起きるのだ。私なんて寝起きが悪いもんだからしょっちゅう寝坊するし惰眠ばっかり貪っちゃって、何だか申し訳ない。
クダリは休日でさえ、睡眠時間が少ないのだから、もう癖になっているのだろうけど、いつか倒れてしまわないか心配だ。



「名前、名前。」
「んー?」



返事を返した途端に体が持ち上がった。私がクダリに覆い被さるような形で抱き締められた。重くないのだろうかと思ったが、相変わらずニコニコしていたのでまぁ、大丈夫なのだろう。



「えへへ」
「…何してんの。」



腰に回る腕を退けて起き上がった。起き上がると言っても座っているので、クダリに掛かる負担は変わらないだろうけど。
背の高いクダリに普段見下ろされてばかりいるから、見下ろすのは何だか新鮮だった。少し優越感に浸る。



「ちょっと、ヤバい。」
「え?」



もしかして優越感に浸ってるの顔に出てた?ばっと両手を頬に当てて顔を修正している間に、クダリは起き上がって私を何だか熱の篭った目で見詰めてくる。なんだ、この雰囲気は。嫌な予感がして体を退けようしたら、お尻に違和感を感じた。冷や汗出てきた。



「朝勃ちしてるの忘れてた!」
「思い出すなよ!」
「お腹の上に名前乗っけてたら騎乗位してる気分になっちゃった!」
「可愛く言ってもダメ!やっ、やめ、擦らないでえええ!」



嫌々首を振ってるのにクダリは自分の息子さんをグリグリ押し付けてきて心なしか気持ち良さそうな恍惚とした表情をしている。嫌だ気持ち悪い。朝から勝手に盛らないで頂きたい。



「んっ…はぁ…名前っ!」



ぞわぞわと鳥肌が立って血の気が一気に引いていく。しかし、クダリには明らかに隙がある。ぐっと力強く腰を支えられる腕に手を置いて、体を擦り寄せる。嫌だけど隙を作るには仕方がないと言い聞かせた。尚も嬉しそうに私の名前を呼ぶクダリの頬に手を置き、それらしい雰囲気をつくる。そして、クダリが私の顔を包もうと両手を離した、その瞬間に私はクダリから逃げ出した。



「酷い!焦らしプレイなんてどこで覚えたの!」
「酷いのはどっちだ!朝からなんてヤダ!」
「夜ならいいの?」
「そういう問題じゃない!朝勃ちくらい自分で何とかしてよ!」



そう吐き捨て私はリビングに猛ダッシュした。


―――
次がラスト。



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