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クダリと!

家に帰ると名前が床で寝てた。ぼくは名前が寝ているのもお構いなしに飛び付いた。うっ、と小さな呻き声が聞こえたけど無視する。すりすり名前の体に自分の体を擦り付けていると不機嫌そうな、ううん、怒った名前がぼくを睨んだ。



「ただいま!」
「おかえり。苦しいどいて。」
「嫌!」
「ぐえっ!」



より強く抱き締めると名前は苦しそうに呻いた。ちょっと可哀相かなって思って緩めてあげた。そうすると名前はグッタリして床に張り付いた(元々張り付いてたけど、それ以上にね)。
なんだか床と仲良くしてて、ぼくは面白くない。だから名前を無理矢理起こして抱っこした。



「わあっ!!ク、クダリ?」
「出発進行ー!」
「どこにだよ!」



ばしばしって名前はぼくの背中を叩くけど、無視して寝室に駆け込んだ。
ゆっくりベッドに下ろしてぼくも一緒に潜り込む。さっきまで寝ていた名前は暖かいし、ベッドはふかふかしてて気持ちいい。ぎゅうっと抱き締めると名前の匂いが肺に一気に広がって凄く幸せ。



「名前いい匂い。」
「変態みたい。」
「違う。ぼく変態じゃない。」
「どうだか。」
「ぷにぷにしてて気持ちいい。」
「……太ってて悪かったね。」
「? 名前太ってない。」



特別細い訳じゃないけど、ぼくムチムチした体型好き。だから名前がこれ以上痩せたらヤダ。
そう言うと名前は複雑な顔をしてた。けど、すぐに目がとろんとしてきて眠たいんだなって分かる。



「眠い?」
「うん。」
「寝る?」
「うん。」
「おやすみ。」
「おやすみ。」



家に帰った時みたいにぼくの腕の中ですやすや寝はじめた名前。それを見てからぼくも目を閉じた。


―――
ちょっと続きます。



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