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お弁当持ちクダリ

「名前!早く起きて!」
「……………。」
「無視ダメ!」
「眠い寒い煩い。」
「ぼく今日もお仕事。お弁当は?」



名前、寝起きいつも悪い。ぼくが起こして爽やかに起きたのなんて数えるくらいしかない。朝に弱い名前を寝かせてあげたい気持ちもあるけど、一日名前に会えないぼくは寂しいから、いっつも無理矢理起こしてお弁当を作ってもらってる。そんなのぼくの我が儘だって分かってるけど、寂しさには敵わないみたい。クルマユみたいに丸まってる名前を揺すって、ぼくは名前を起こしにかかった。



「名前ー!お弁当!ぼくお腹空いて死んじゃう!」
「うーん…。」



唸り声をあげてからすぐ、名前はむっくり起き上がって眠そうな目を擦る。その仕草が可愛くってぼく好き!やっと起きた名前を思いっ切り抱き締めたら暖かくて気持ち良かった。そのまま名前はぼくを引きずるみたいに背中に張り付けて台所に急いだ。



「クダリも早く支度しなきゃ。」
「もう少し。」
「動きにくい。お弁当作れない。」
「それは嫌。」



首筋に顔を埋めてぐりぐり押し付けると、小さい子をあやすみたいに名前がぼくを撫でてくれる。名前の匂いがして、何だかぼくを安心させる。あ、ぼく変態みたい。それから名残惜しいけど名前から離れてぼくは支度。名前はお弁当作り。あっという間に過ぎてく時間にぼく仕事行く前から軽くホームシック。



「はい、お弁当。」
「ありがとう!」
「今日もお仕事頑張ってね。」
「うん!絶対負けない!」
「書類もノボリさんに押し付けないで、ちゃんとやらないとね。」
「うっ…。頑張る…。」



お仕事の書類とか難しい話は嫌い。でも、笑顔の名前が見れたから今日はちょっと頑張る。ガチャッとドアを開けると名前があっ、と声を漏らした。



「クダリ。」
「行ってらっしゃい。」



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