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なんとか起こしたいノボリ

帰宅しますと、そこには床に俯せになって寝ている名前様がいらっしゃいました。女性が男の家で無防備に寝姿を晒すなど言語道断でございます!わたくしは鞄とコートを床に置き、名前様の側まで行ってゆさゆさと体を揺らしました。



「名前様、起きて下さいまし。こんな所で寝てしまっては風邪を引いてしまいます。」



体を揺らし、声まで掛けてるというのに、名前様は起きて下さりません。寧ろ起きる気配すらみえません。しかし、わたくしは尚も諦めずに体を揺すります。すると、うっ、と小さな唸り声が聞こえてきました。名前様が起きかけていると思われます。やっとか、と名前様に声を掛けようとしたところ



「…うるさい。」



地を這うような声がしました。最初、あまりに低く掠れていらしたので、わたくしと名前様以外に誰か部屋に入って来たのかと思い後ろを振り返りましたが、後ろに人がいる筈もなくわたくしは未だに眠り続ける名前様を見下ろしました。


「…………。」



いや、そんな筈がありません。名前様がまさか、そんな!いやにうるさい心臓を押さえ、わたくしは勇気を振り絞って再び名前様を揺すります。身じろいだ名前様に多少安堵しました。ぐるんと寝返りをうった名前様は眩しいのか顔を腕で覆っていました。暫く様子を伺っていますと片腕だけを退け、鋭く尖った視線をわたくしに投げ掛け一言おっしゃいました。



「うるさい。」



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