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欲張りたいノボリ

人間は浅ましくも欲深い生き物なのです。いえ、人間というよりも、それはわたくしに当て嵌まるのでございます。わたくしには双子の弟がおります。仕事をサボる癖や注意しないとお菓子ばかり食べることもありますが、わたくしにとっては唯一無二の大切で愛しい弟なのでございます。しかし、冒頭で申し上げましたように、人間、もとい、わたくしは欲深い生き物なのです。大切な弟がいる、それだけで良い筈が、わたくしは誰か赤の他人、血の繋がりのない別個の人間からわたくしという存在を認めて欲しいのです。そして、それが愛した人であって欲しいと願わずにはいられないのです。名前様にどうかわたくしを受け入れ、わたくしという存在を認識して欲しいのです。なんと欲深いことでしょうか。しかし、この欲が尽きることはないのです。寧ろ日増しに増大しわたくしを内側からジワジワと蝕むのです。名前様と言葉を交わすだけで、名前様を視界に入れるだけで、わたくしは受け入れて欲しいという欲が溢れるのでございます。ああ、名前様、このような浅ましく欲深いわたくしをどうか認めて受け入れ下さいまし。



「どうしようもなく貴方様を愛しているのです。」



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