sbms | ナノ
白組と同人誌

→ゲーム、アニメ、スペのクダリ集合
→アニクダと付き合ってる



「あのね、これクダリにあげる。」
「? あ、ありがとう…?」



ぱっちりと開いた大きな瞳。まるで野良猫のような瞳に見詰められると、純粋であるが故に彼に逆らえないような気がしてしまう。そんな彼がある物を、無邪気な戦闘狂の彼と一緒に持って来たのは、ついさっきだ。僕が書類整理の為に、サブウェイマスター専用の執務室に引きこもっていたところ、あと少しというところで、ノックもなしに入ってきたのだ。突然入ってきて、突然よく分からない物を手渡され、困惑する僕を余所に二人は満足したのか、すぐ側のソファーで飴を舐めながら遊ぶ体制に入っている。手渡されたある物とは、どうやら薄い本のようで、ご丁寧にブックカバーまでつけられている。



「えっと、これは?」
「クダリにあげる。」
「それ、ぼく達が描いたんだよ!ノボリに教えてもらって製本?までしたんだー!」



キャッキャと楽しそうに話す姿はどこぞの女子高生のようだ。しかし、彼等が描いたものであるとすると、悪いけど絵本か何かだろうか?小さい子の発想で大人になった彼等がやると大掛かりなものが出来上るものだ。少し呆れつつも、僕の為に作ってくれたと思うと素直に嬉しくて、わくわくしながらページを捲る。



「ええ!?」
「どう?上手でしょ?前半が僕で、後半がこっちのクダリだよ!」
「あのね、ぼくクダリの彼女って写真でしか見たことない。だから上手く描けなかった。」



小さな子供が親にイラストをプレゼントする程度の微笑ましいものだと、僕は勘違いしていた。彼等も大人だ。ましてや、このギアステーションを代表する責任者。そんな微笑ましいよなものじゃない。というか、



「う、上手過ぎじゃない!?」
「あはっ!褒められた!やったねクダリ!」
「クダリ、変な顔してる。」
「驚いてるんだよ!」



素直に驚いた。まさか彼等にこんな才能があったなんて。開いたページを眺めていると、誰しもが上手いと認めざるを得ないだろう。しかし、イラストの上手さに隠れていたが、この漫画のような物に描かれているのは僕と名前ちゃんじゃないだろうか?僕の格好なんて、今まさに僕等が着ているサブウェイマスターのコートだし、名前ちゃんのも鉄道員の皆と同じ制服だ。彼等がなぜこんなものを描いたのか、相変わらず僕に意図は掴めないが、とりあえず、読み進める。

ん?

これは無邪気な方のクダリ君が描いた方、の筈。おかしいな。なんで僕が漫画の中で名前ちゃんを押し倒してるのかな?しかもここってギアステーションじゃないか!え?ちょっ、僕はコートの中に大人の玩具なんて忍ばせてなんかいないよ!何この偏見に塗れた僕は!あ、あれ?え?そんな描写まで描いちゃったの?ていうか、これ!



「ク、クダリ君これ!」
「どう?面白い?興奮しちゃった?」
「なななっ!なに言ってるんだ!だ、第一君達はなんてものを描いて「クダリ、彼女にこういうことしたいかなーって想像しながら描いた!」」
「はぁ!?」
「クダリ、むっつり。皆知ってる。でも、ぼく良く分からない。だから、クダリに聞いて描いてみた。面白くない?」
「お、面白い面白くないとかじゃなくて…!」



どうしてそんな心配そうな瞳で僕を見るんだ…!もう一方なんて凄くニヤニヤした顔でこっちを見てるし…!



「あのね、ヘタレなクダリが普段こういうことしたいのに出来なくて、でも、っていう葛藤を最終的に彼女にぶつけないよう、今のうちに発散させようと思って描いた。」
「これで思う存分抜いてね!」
「な、なな、なに…!」



上手く言葉が出てこない、顔が熱くて、喉はカラカラで。こんなもの見せられて、今後僕はどんな顔して名前ちゃんに会ったらいいのか分からない。相変わらずニヤニヤと笑う彼と、何事もなかったかのように平然と僕を見詰める彼を直視することも出来ず、僕はその薄い本を持ったまま立ち尽くすしかなかった。


(クダリさーん!書類出来ましたか?)
(わあああああ!!!)
(クダリさん!?)



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