Present for Lovers

寒さが苦手な理由 PAGE.3


いよいよ、試合当日。

(ホントにクリスマスに試合あるんだ。)

なんてことを思いながら会場に着く。

アキラさんに電話をして、ロビーまで来てもらった。

「よぉ、リナ。待ってたぜ?」

「はい。約束の差し入れだよ。いっぱいあるからみんなでどうぞ。」

「すまねえな。」

笑顔で受け取るアキラさんにつられて笑った。

「なんだよ?そんなおかしーか?」

「ううん。緊張してないのかな?と思って。」

「バーカ。こんな時間から緊張してたら、体持たねえよ。」

そう言って、私の頭をグシャグシャとする。

「もぉ、アキラさんったら。がんばってセットしてきたのに〜。」

ほんの少し、怒った調子でアキラさんの胸をたたくフリをした。

アキラさんは私の手を掴み、笑顔で言った。

「お前といると楽しいんだよ。」

「ふふっ。ありがとう。私もアキラさんといると楽しいよ!」

私の手をそっと離した。

「アキラさん、これはアキラさんだけに…」

私はカバンから小さな袋を取り出した。

「今、開けてくれる?」

アキラさんが袋を開ける。

「ピアス…?」

「うん。アキラさんの誕生石だよ。身につけるといいことがあるから…お守りみたいなものかな?」

「サンキュ。これつけて試合に出るよ。」

アキラさんは私の目の前で着けてくれてた。

「試合がんばって。見守ってるから…」

「ん、じゃ行ってくる。」

私に背を向け歩き出したアキラさんが振り向いた。

「リナ、一緒に帰ろーぜ。待ってろよ!」

私は笑顔で頷き、アキラさんを見送った。



試合が始まると、アキラさんは目まぐるしく動いていた。

攻撃時は素早い動きで相手を交わしながら前へ進み、味方へ正確なパスを送る。

目を奪われるほどの華麗な動きに周りの選手が見えないほどだ。

試合はあっという間に終わり、陵泉バスケ部が勝利した。



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