Jewel Box

オリオンの下で PAGE.4


私と千葉先輩の視線が絡み合う。


私はただ、その場に立つことしかできなかった。


そんな私を、千葉先輩はさらに強く見つめてくる。


そして、穏やかに話しかけてきた。


「もし、鍵谷さんが神坂や風間と付き合って…それをただ見ているだけなのは、耐えられない」


「えっ?」


千葉先輩の言葉に、私の体が大きく反応する。


真意がつかみきれず、心音だけが速くなっていく。


私は何とか気持ちを落ち着け、絞り出すように聞いた。


「せ、んぱ…い…。それは…?」


「俺は鍵谷さん…樹々が好きだ」


「!」


初めて名前で呼んでもらえた。


その上、千葉先輩から告白までしてもらえた。


まさか、大好きな千葉先輩から…。


私は嬉しさ以上に驚きのあまり、体がよろけてしまった。


「わっ…!?」


「…っと」


倒れそうになった私を、千葉先輩が優しく、抱きしめるようにして支えてくれた。


「大丈夫か?」

目の前に千葉先輩の顔がある。


私の体温は一気に上がっていった。


「あ、ありがとうございます…」


お礼を言った後、私はキュッと唇を結ぶ。


そして今度は、私が強い眼差しで千葉先輩を見た。


「先輩…、私も千葉先輩が好きです」


千葉先輩の目が一瞬大きくなる。


だが、すぐさま優しい笑顔を私に向けてくれた。


「ありがとう、樹々。俺たちは幸せな時間を、二人で過ごしていこう」


「…はい!」


互いに幸せを誓い、微笑みあう。


そして私たちはどちらからともなく、唇を重ねた。


オリオンが見つめる、星空の下でーー。


Fin.



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