彼のほほえみ PAGE.3
(千葉先輩と二人で会話するなんて久しぶりだなぁ…)
なんて思っていると千葉先輩が声をかけてきた。
「鍵谷さんとこうして会話するのは久しぶりだな。」
「私も今、全く同じことを思ってました。本当にそうですよね。でもまさかこんな形で再会するなんて…びっくりしてます。」
「鍵谷さんは、少し印象が変わったな。」
「そうですか？」
「あぁ、明るくなったような気がする。前はおとなしい感じだったが。」
「子供達と接していると自然とそうなりますよ。この仕事はおとなしくてはできませんから。」
「そうか…ところで俺に聞きたいこととは？」
正直聞きにくいことだが思い切って口を開いた。
「あの…千葉先輩はどうしてこの仕事を選んだんですか？」
一瞬、千葉先輩の瞳が曇ったような気がしたがいつもの表情で答える。
「鍵谷さんは、俺が子供相手にやっていけるのかと思っているのだろう？」
「あっ…はい……」
「俺はこう見えても子供は好きだ。これでは答えにならないか？」
「子供達が怖がらないかな……って少し心配してます。すみません、こんなこと言って…」
「ハハッ、気にすることはない。そう思われても仕方ないからな。」
千葉先輩は優しく微笑む。
「俺が子供達にどのように接するか…楽しみにしてて欲しい。」
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