彼のほほえみ PAGE.2
船橋先生に続いて数人の先生達も挨拶をしながら入ってきた。
最後の先生は初めての先生だった。
挨拶をしようとその先生を見た瞬間、驚きのあまり、声が出なかった。
すると優しい笑顔で私に挨拶をした。
「久しぶりだな。元気にしていたか?」
「千葉先輩…」
私達の会話に他の先生達は驚いていた。
「千葉、鍵谷先生と知り合いなのか?」
船橋先生が千葉先輩に尋ねる。
「はい。高校時代の後輩で彼女はサッカー部のマネージャーでした。」
「そうか。それはよかった。」
『よかった』の意味がわからず船橋先生の顔を見る。
「千葉はこの通り無愛想だから、鍵谷先生が困ったらどうしようと思っていたんでね。」
「ふふっ、千葉先輩、随分な言われようですね?」
「まぁ…愛想がないのは事実だからな。船橋先生、そろそろ始めましょう。」
千葉先輩の一声で打ち合わせは始まった。
指導方法、内容、安全対策といったことが話し合われた。
一通り終わったところで私は千葉先輩に声をかける。
「あの…千葉先輩。少し先輩に聞きたいことがあるんですけど…」
「わかった。俺は今日、このまま帰れるが鍵谷さんは?」
「私も帰れます。」
「そうか。久しぶりだし、食事でもしながら話をしようか?」
「はい。わかりました。すぐに用意してきます。」
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