Kazuki Chiba

17歳のバースデー PAGE.1


数日前に陵泉高校サッカー部は選手権で優勝し全国制覇を果たした。

準決勝からの憧れの国立での試合。

そして大観衆の中での決勝。

優勝旗を手に地元へ戻り、多くの取材や表敬訪問、優勝パレード。

何もかもが夢のような出来事だった。

そして3年生は引退し、風間くんをキャプテンとした新チームが発足した。

とは言うものの、風間くんを始め、3年生からも選手権での大会優秀選手に何人か選ばれているのでまだ完全に新チームに移行したわけではない。

大会優秀選手はスイスに遠征することが決まっている。



練習終了後、片付けをしながらついため息をついてしまう。

(今日は私の誕生日だけど、忙しくて話もできないもんな…)

その直後、大好きなあの人の声が聞こえた。

「鍵谷さん、どうした?ため息ついて。」

「あっ…千葉先輩、お疲れさまです。えっと…その…」

どうしても言い出せなくてうつむいてしまう。

「今日、一緒に帰らないか?」

あまりに突然の千葉先輩からの言葉に頷くことしかできなかった。

「では校門で待ってる。」



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