あなたという奇跡の存在 PAGE.2
私達は何度か図書館で会い、仲良くなっていった。
「ねぇ、千葉くん。どこ受験するか決まった?」
「あぁ、俺は陵泉にする。あそこはサッカー強いからな。鍵谷は、そのまま上にいくのか?」
「うん…やっぱり体のことを考えるとね。慣れてる環境がいいし。それに男の子苦手だから女子校が合ってると思うの。」
「鍵谷…俺だって男だが?」
「…千葉くんは優しいから。私ね、ずっと女子校だから男の子の友達っていなかったの。初めての友達が千葉くんでよかった。」
ニッコリ笑って言った。
「そうか。それは光栄だな。確かに共学だと優しい男ばかりではないから、鍵谷は今のところがいいだろう。」
「…でもね、千葉くんと同じ学校に行きたいなって気持ちもあるんだよ?部活でがんばってる千葉くんも見てみたいなとか、もっと千葉くんと一緒にいたいなとか…」
何だか悲しくなり、涙がジワッと出てきた。
千葉くんは私の瞳をじっと見つめ、優しく頭をなでてくれた。
「違う学校だろうと、あまり会えないだろうとそんなのは関係ない。俺にとって、鍵谷は大切な存在だ。」
「千葉くん…」
この日を境に私達は恋人同士になった。
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