Kazuki Chiba

あなたの言葉 PAGE.3


練習は二人一組でやることが多い。

その時は決まって、風間くんと一緒だ。

クラスも同じだし、何よりサッカーの話題には事欠かない私達は仲良くなっていた。

ある日のこと。

いつものように風間くんと二人でストレッチをして、パスの練習をしていたら、風間くんの蹴ったボールを受けれなくて、ボールはグラウンドの外までいってしまった。

私が急いで取りに行くと、グラウンドの外で練習を見ていた女子の一人が私に向かってこう言った。

「風間くんとイチャイチャしたいからって、わざわざサッカー部に入らなくてもねー。」

私はキレた。

「あんたに私の何がわかるの?!そんなもののためにサッカー部に入ったんじゃない!」

私の大声を聞きつけ千葉先輩が走ってきた。

「なんの騒ぎだ?」

千葉先輩の姿を見て、みんな逃げるように去っていった。

私は悔しくて涙が出そうになり、立ち尽くしてしまった。

「樹々さん、大丈夫か?」

「……………」

千葉先輩の声にも反応できない。

「樹々さん、とりあえず部室へ行こう。」

千葉先輩に肩を押されて、ようやく動き出すことができた。



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