Kazuki Chiba

Love Everlasting
第1章 愛のきざし PAGE.3


部室へ向かうと、千葉先輩とマネージャーらしき女子生徒が待っていた。

人数がそろったところで千葉先輩が話し出した。

「昼休みにすまない。実はマネージャーの希望者が多くて全員は入部してもらえそうにない。そこで俺とマネージャーの二人で面談を行いたい。申し訳ないが指定した時間に部室へ来て欲しい。」

配られたプリントを見ると私は一番最初。

(エエッ〜!こ、心の準備が…!)

「じゃあ、早速で悪いんだが、鍵谷樹々さんから始めよう。他の人は外で待っててくれないか。」

千葉先輩の言葉に、私以外の人はゾロゾロと出ていく。

栄子ちゃんに「がんばって。」と小さく声をかけられた。

「鍵谷さん、こっちに。」

私は千葉先輩たちの前に座るものの、緊張して、わずかに俯いてしまう。

「俺は主将の千葉。こっちはマネージャーの南だ。」

「こんにちは。南です。鍵谷さん、そんなに緊張しないで。大丈夫だからね。」と優しく微笑んでくれた。

「あっ…はい…鍵谷です。よろしくお願いします…」

「早速だが、鍵谷さんは、サッカー経験とか、マネージャーの経験は?」

千葉先輩は眼鏡をクイッと押し上げた。

「い、いえ…どっちもありません。」

「じゃあ、どうして入部したいの?」

不思議そうに南先輩が尋ねる。

「あっ…あの…私、あまり運動神経よくなくて体育系はムリで…かと言って文化系でもこれといったのがなくて……
説明会で千葉先輩が言った言葉に感動して…見て応援するだけじゃなくて、夢を叶えるためにがんばるみなさんのお手伝いがしたくて……
私もサッカー部の一員として国立に行きたいと思いました。
すみません…上手く話せなくて…」

「…そうか。わかった。来週月曜の昼休みに結果を伝える。ありがとう。」

千葉先輩がそう言って私の瞳をまっすぐ見つめた。

ドキッとした私は、慌てて立ち上がり「ありがとうございました!失礼します!」と言って部室を後にした。



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