LOVE DETERMINATION
最終章 purposeful PAGE.2
俺は次の行動に出た。
IT企業を起ち上げたのだ。
西園寺グループはIT関連に弱い。
俺はそこに目を付けた。
起業して間もなく、少しずつだが業績は上向いた。
それでも俺はもどかしかった。
そんなある日、オフィスに雅季が訪ねてきた。
誰から聞いたのだろう?
樹々か?
「一樹さん、久しぶり。水くさいね、知らせてくれればよかったのに。」
「どうして、ここがわかった?」
「修一兄さんが新聞で見つけてね。一樹さんが載ってるって。後はネットで調べたよ。」
「そうか…」
「ところで一樹さん。僕にも手伝わせてくれない?」
「構わないが、雅季、高い給料は払えないぞ。」
「お金はいいよ。手伝いだし。」
「そうはいかない。」
「本当にいいんだ。もっと会社を大きくしたいんでしょ?だったら無駄な人件費は使わない方がいい。」
「雅季?」
「ねぇ、一樹さん。そろそろ聞かせてくれない?東大入学と起業の理由。もちろん、樹々に関係あるよね?」
さすがは雅季だ。 鋭すぎる。
「どうして樹々さんに関係あると思うんだ?」
雅季は少し呆れたように微笑んだ。
「一樹さん、僕達もう何年の付き合いだと思う?一樹さんを見てればそれくらいわかるよ。それに樹々だって…」
一旦、言葉を切り、繋げた。
「見合いの話でかなり落ち込んでたんだ。食事もほとんど摂ってなかった。危なっかしくて学校でも気をつけて見ていた。そしたら一樹さんが樹々を迎えに来たのを見たんだ。それから彼女は立ち直ったよ。以前にも増して強くなった感じがした。」
ここまで言われては黙っている必要はない。
雅季に俺と樹々の関係、雅季の疑問、これからの計画、全て話した。
「一樹さん、僕にも応援させて?」
「ありがとう、雅季。頼むよ。」
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