LOVE DETERMINATION
最終章 purposeful PAGE.1
大学に入学してしばらく経った。
樹々とはなかなか会えずにいたがメールだけは欠かさずにしていた。
他愛のない話や雅季、雅弥の近況などだ。
そんなある日、珍しく電話がかかってきた。
樹々は泣いていた。
「樹々、どうした?」
「………お見合い、させられるの…」
「いつだ?」
「今度の土曜日…断りきれなくて…」
「樹々、明日の放課後、校門で待ってる。話をしよう。」
翌日、樹々を迎えに行き、俺の部屋へ連れて行った。
「樹々、君にはこの先もこういう話はたくさん出てくる。俺を待っててくれるなら断って欲しい。」
「一樹さん…私、不安なの。誰にも話せないし、一樹さんにも会えないし…それに一樹さんが何を思っているのかがわからない…」
樹々は泣くのをこらえるように唇を噛み締める。
俺は樹々の髪を優しくなでた。
「そうだな。樹々には何も話してなかったな。俺が一人でがんばるだけじゃだめなのに。樹々にもがんばってもらわないといけないのにな…」
俺は樹々を手に入れるための方法を全て話した。
「一樹さん…ごめんなさい。こんなに考えてくれてるのね。私、もっと強くなるね。私だってがんばらなきゃ…」
「すまない。俺がちゃんと話しておけばよかった。」
急がなければ…
樹々を抱き締めながら、そう思い続けた。
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