Kazuki Chiba

LOVE DETERMINATION
第2章
充実の平行線(side Ryosen) PAGE.2


俺と神坂は2年に、そして西園寺学院には雅季と雅弥が高等部にそれぞれ上がった。

雅弥とは相変わらず、河原で練習を重ねている。

チームにいれば敵同士だが、ここでは関係ない。

多少の情報交換はしていた。

「今年、陵泉には風間大翔が入って来た。」

「大翔って、あのユースにいたヤツか?!」

「そうだ。今年は神坂の負担が少なくなる。去年よりは強くなるぞ。」

「まぁ、こっちは俺がいるからな!陵泉には負けねーぜ?」

雅弥はニカッと笑う。

「相変わらず強気だな。神坂と風間がいるんだ。こっちこそ負けられない。」

「まっ、お互いがんばろーぜ。他にも敵はたくさんいるんだ。」

「そうだな。」



陵泉はインターハイに出場し、2回戦敗退。

選手権は予選突破したものの1回戦敗退だった。

俺に残された時間はあと一年。

必ず国立へ行く。



3年への進級を控えた春休み。

俺は雅季と雅弥に家に招待された。

今までにも何度か行ったことあるが、それは雅季だけだったり、雅弥だけだったりとどちらか一人だった。陵泉に入学してからは行く機会がなかった。

久しぶりの今回は初めて、二人に招待された。

いつも招待される時は、西園寺家執事の御堂さんが送り迎えをしてくれる。

俺はいつも断るのだが、御堂さんは俺以上に頑固なのか、執事としての仕事に対する姿勢なのか、絶対に譲らない。

今日も迎えに来てくれた。

俺は二人に呼ばれたことが気になり、御堂さんに尋ねた。

「御堂さん。今日は何かあるんですか?二人に呼ばれるのは初めてなので…」

「一樹様、それは着いてからのお楽しみになさってください。」

御堂さんはニコッと微笑んだ。

この笑顔か…

ダメだ…

御堂さんは教えてくれそうにない。

俺は仕方なく到着するのを待つしかなかった。



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