LOVE DETERMINATION
第2章
充実の交差点(side Saionji) PAGE.5
俺は樹々を手に入れるため、動き出した。
まずは大学受験。
当然、雅季には西園寺学院大学を勧められたが俺は断った。
いろいろな選択肢を残しておきたかったのでセンター試験には出願していた。
選手権が終わってからセンター試験まで日にちは短かったが集中した。
全ての試験が終わり、俺は大学入学が決まった。
東大文科二類。
将来、経済学部に進むためだ。
まずは一つ目を突破した。
3月下旬。
俺の卒業と大学入学を祝ってくれるため、西園寺家の別荘に招待された。
雅季、雅弥、樹々、そして御堂さんが一緒だ。
まずはみんなで食事から。
「一樹の卒業と大学入学を祝して、かんぱ〜い!」
雅弥が音頭をとる。
雅季も樹々も声を合わせる。
「ありがとう。」
雅季がポツリと話す。
「一樹さん、僕達が高等部に誘ったのは間違いだったのかな…?」
「雅季、なぜそう思う?」
「東大に入れるほどの成績なら高校だって、もっといいところに行けたよね…」 「それを言うなら、俺だって…もっとサッカーの強いところに行ってれば、国立にも…」
雅弥も弱々しい口調だ。
「ハハッ!二人とも気にするな。確かにきっかけを与えてくれたのはお前達だが、決めたのは俺自身だ。何も後悔はしていない。充実した3年間だった。むしろ、感謝している。ありがとう。」
俺は笑い飛ばした。
樹々は俺達の会話を微笑みながら聞いている。
「それに…」
樹々を見つめる。
「こんな素敵な女性と知り合えたんだ。感謝してもしきれないよ。」
少しおどけるように言った。
雅季と雅弥は大笑いをしていたが樹々は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
夢は叶わなかったが、本当に充実した高校生活を与えてくれた雅季と雅弥に感謝しつつ、楽しいひとときを過ごした。
LOVE DETERMINATION 第2章終わり 最終章へ続く
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