Kazuki Chiba

LOVE DETERMINATION
第2章
充実の交差点(side Saionji) PAGE.3


西園寺家に到着し、俺は応接室に通された。

いつもなら雅季か雅弥の部屋だが…

そこには雅季と雅弥がいた。

「おぅ!待ってたぜ!」

「いらっしゃい、一樹さん。」

俺は二人に質問する。

「何だ?今日は二人揃って…しかもこの部屋で…」

そこへドアが開き、御堂さんがやって来た。

「お待たせいたしました。」

御堂さんの方を見ると一人の女性が立っていた。

その女性は雅季と雅弥の間に座る。

「一樹、紹介するぜ。俺達の妹だ。」

「妹?」

雅季が説明してくれた。

「僕達の父が再婚したんだ。彼女は新しい母の娘。だから妹にあたるんだ。」

「はじめまして。西園寺樹々です。よろしくお願いします。」

彼女はそう言って頭をペコッと下げた。

「はじめまして。千葉一樹です。こちらこそ、よろしく。」

「一樹さん、樹々は新学期から高等部に編入する。よろしく頼んだよ。」

「あぁ。だがなぜ俺に?」

二人同時に言った。

「だって一樹さんは…」
「だって一樹は…」

「生徒会長」
「キャプテン」

「「だから。」」

さすがは双子だ。

その後、樹々さんに今までの俺達の話をした。

俺は雅季と雅弥との思い出話を楽しんだ。

だがそれ以上に樹々さんのコロコロと変わる表情を微笑ましく思い、楽しいひと時を過ごした。



そして新学期が始まり、俺は3年、雅季達は2年になった。

樹々さんは、放課後は必ず、雅季か雅弥のどちらかといた。

やはり、新しい環境に戸惑っているのだろう。

信頼している兄達のそばを離れたくないみたいだ。

生徒会の時は、雅季の横で書記をし、サッカー部の時は、マネージャーらしきことをしている。

雅弥は今年に入り、ますます技術に磨きがかかっている。

いや、雅弥だけではなかった。

他の部員達にも同じことが言えた。

そして俺達はインターハイに出場が決まった。

これも樹々さんのおかげだろう。

彼女がいるだけで、みんなのテンションが上がる。


インターハイは準優勝で終わった。

国立も夢じゃなくなった。

俺はそう確信した。



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