Kazuki Chiba

Love Everlasting
第1章 愛のきざし PAGE.2


部活説明会から数日後の昼休み。

私は栄子ちゃんと教室でお弁当を食べていた。

「樹々ちゃん、部活決まった?」

「うん。サッカー部にするよ。他に気になった部はなかったし、栄子ちゃんと一緒だったら楽しいし…」

「それだけ?」と意地悪く聞いてくる栄子ちゃん。

「も…もちろん!」

「樹々ちゃん、顔赤いよ〜。誰か気になった人でもいるんじゃないの〜?」



説明会の日の放課後、私は栄子ちゃんに連れられていくつかの部を見てまわった。
と言ってもほとんどサッカー部しか見てないんだけど。

その時に栄子ちゃんはいろいろ教えてくれた。

「あの人が2年の神坂先輩。すっごくかっこよくてサッカーも上手なんだよ〜。校内一の人気者だよ。あっ、あそこに風間くんもいるよ。」

「風間くんって?」

「もぉ〜!樹々ちゃんったら、同じクラスの風間くんだよ!風間くんも上手なんだよね。1年なのにレギュラー確実って言われてるんだよ。」

と、そこに私達から少し離れたところにいた女子達の元にボールが転がってきた。そして神坂先輩が取りに来た。

誰が神坂先輩にボールを渡すのかでものすごい騒ぎになってしまった。

呆然と見ていたら千葉先輩がかけ寄ってきて女子達に「練習の邪魔になる。帰ってくれないか。」と冷たい声を発した。

あまりにも突き刺さるような冷たい声に私は、青ざめた顔で千葉先輩を見つめていた。

「君、大丈夫か?」

千葉先輩は私に向かって声をかける。

「あ…、あの…大丈夫です…」

「邪魔になるようなことをしなければ、見ててもらっても構わないから。」と言って神坂先輩と共にグラウンドへ戻って行った。

何だか、とても嬉しくなってしまった。

(見てていいんだ…)



「もぉ〜。樹々ちゃん、ボーっとして!やっぱり誰かのこと考えてるんじゃないの?」

とそこへ校内放送のアナウンスが。

「サッカー部のマネージャー希望の生徒は昼食後、サッカー部の部室に集合して下さい。」

(んっ?)

「栄子ちゃん、すぐに行かないと!」

(あ〜。よかった。何とかごまかせた…)

私と栄子ちゃんは急いでサッカー部の部室に向かった。



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